上写真＝細谷真大の9分の先制ゴールがそのまま決勝点に（写真◎J.LEAGUE）
■2021年9月12日 明治安田生命J1リーグ第28節（＠味スタ/観衆4,987人）
FC東京 0-1 柏
得点者：（柏）細谷真大
「見えたものは自分の中ではまだ全然ない」
柏レイソルが開始早々の9分に奪った決勝ゴールは、FC東京のGK波多野豪とDF渡辺剛の連係ミスだったのは確かだ。ただ、柏から見れば決めた細谷真大のストライカーらしい抜け目なさが光る一瞬だった。
中盤でクリスティアーノが持った瞬間に、細谷は渡辺と森重真人のセンターバックの間にできたギャップに斜めに走り込んだ。そこへロングパスが飛んでくる。
「クリス（クリスティアーノ）が持ったときにまず裏に飛び出しました。うまくキーパーとディフェンスラインの間でバウンドしたので、そのスキを狙っていました。うまく決められたかなと思っています」
ボールが跳ねるその一瞬に狙いを定めた。敵将・長谷川健太監督もこの連係は課題として認識していてトレーニングで改善しようと試みているところだと明かしたが、細谷はバウンドするボールは常に守備側の対応が難しくなることをわかって狙っていたという。
このゴールによって、柏は楽になった。無理に攻める必要はなくなり、1点を追いかけて前のめりになる相手を最終ラインで5人が並んで幅を埋め、その前に4人が立って2列の壁を築いて防いでいた。ただ、追加点を狙うにはカウンター中心になって、仕留めきれなかった。
「個人で打開する能力も必要になってくると思いますし、キープするところなのかという判断をもっと高めていかないとダメかなと思います」
カウンターが増えたということは、もちろんFC東京が勢いを持って攻めに出てきたからでもあるが、1トップの自分自身がボールを収めて時間を作ることができなかった課題だと受け止めている。
「見えたものは自分の中ではまだ全然ないです。もっと試合に出続けたい」
今季は20試合出場でこれが3点目だが、この試合がリーグ戦2度目の3試合連続先発。3月から4月の前回はフル出場のあとの2試合が前半のみの交代だったが、今回はフル出場、83分、64分と出場時間を着実に伸ばしている。
まさに明るい成長の途上にある若きストライカー。次のサンフレッチェ広島戦でプロ初の4試合連続先発はあるか。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
