セレッソ大阪は26日、今季から指揮を執っていたレヴィー・クルピ監督とマテルコーチと話し合い行ない、双方合意のもと8月26日付けで両名との契約を解除した。後任の監督には小菊昭雄コーチが就任することも合わせて発表している。

上写真=今季、8季ぶりにC大阪の監督に就任したクルピ監督だったが、シーズン途中で契約解除となった(写真◎J.LEAGUE)

4月には代行で指揮を執った新指揮官

 ACL出場チームの新監督として今季就任したクルピ監督だが、成績が安定せず、リーグ戦では思うように勝ち点を積み上げられなかった。4月18日の浦和戦から11戦未勝利という苦しい時期も経験。25節のホーム・横浜FC戦(25日)で4カ月ぶりに勝利を手にしたが、前節の湘南戦で1-5と大敗すると、指揮官は試合後に進退について言及。翌日、クラブと話し合った末、契約解除が発表された。

「セレッソサポーターの皆さん、再度私に声をかけてくださったフロント、そして私のアミーゴとして常に支えてくれたみんなにお詫びしたいと思います。皆さんの期待に応えられるサッカーができず、さらに無観客あるいは入場者数制限のある中でサッカーが行われ続けました。多くの方に足を運んでいただきたかったので、本当に残念で心苦しい限りですが人生を歩み続けるしかありません。セレッソの今後の幸運を心から祈っています。素晴らしい時間を共有してくれたこと、本当にありがとう」

 ロティーナ前監督からクルピ監督に体制が変わる際に、財政面の問題と、「若手の活躍を推進する指導者であるクルピ監督に、トップチームのさらなる成長をお願いし、セレッソサッカーを中長期的に確立したいと思っています」と話していた森島寛晃社長は、今回の契約解除について以下の通り、コメントを発表している。

「2017年よりセレッソ大阪は1ケタ順位で終えるシーズンが続きました。課題であった守備、組織的なサッカーが確立されつつあり、昨シーズンは4 位でACL 出場権も獲得できました。一方で、クラブとしては得点力不足という課題を抱えていたのも事実であります。守備力に加えて皆様の心を動かすような面白い試合をみせること、ワクワクさせることをビジョンに掲げ、クラブOBであるレヴィー・クルピ監督を招聘し、最低でもトップ3という目標に新たなスタートを切りました。
 しかしながら、本日時点でリーグ戦25試合を終え7勝9分9敗、暫定12位と低迷しており、セレッソ大阪を応援、サポートしてくださる皆様には大変申し訳なく思っております。この現状に変化をもたらす必要があると判断し、レヴィー・クルピ監督と話し合い、双方合意のもと契約解除にいたりました。また、次節以降は小菊昭雄新監督のもと、チームの立て直しを図る運びとなりました。
 ACL、天皇杯、ルヴァンカップのタイトル獲得、そしてリーグは一つでも上の順位で終えられるよう、強い覚悟を持って今シーズンの残りをチーム一丸となって戦い抜くことを約束いたします。ファン・サポーターの皆様、スポンサーの皆様、ホームタウンの皆様、そしてセレッソ大阪に関わる全ての皆様、セレッソ大阪はチーム・スタッフ一丸となり現状を打開できると信じております。引き続きチームへのご声援のほどよろしくお願いいたします」

 今季は、中長期的な視野に立って「セレッソサッカーの確立」を目指したはずだが、その最初の段階でつまずくことになってしまった。クルピ監督のあとを受けて指揮を執るのは、小菊昭雄コーチ。指導者としてセレッソ一筋で歩んできた新監督で、今年4月に代行として2試合指揮を執っていた(8節横浜FM戦:0-1、9節福岡戦:2-2)。

「セレッソ大阪を応援してくださる皆様、いつもセレッソ大阪に熱いご声援をいただきありがとうございます。このたび、監督に就任いたしました小菊 昭雄です。まず始めに、コロナの状況下で、多くの方にご声援、サポートいただいているにも関わらず、ご期待に沿えていない現状に対し、大変申し訳ない思いです。今回の監督交代は監督一人の責任ではなく、コーチとして監督をサポートできなかった自分にも責任があると感じており、この事態を重く受け止めております。私は2006年よりトップチームに携わり、歴代の監督から戦術面やチームマネジメント、選手との向き合い方など、多くのことを学びました。これまでの経験、知識、強みを活かし、自分を育ててくれたセレッソ大阪というクラブに全力で還元したいと思っています。チーム、フロント、関係者、そしてサポーターの皆様の力を再結集し、必ず軌道修正できると信じています。ACL、天皇杯、ルヴァンカップのタイトル獲得、そしてリーグは上位を目指し、強い覚悟を持って今シーズンの残りをチーム一丸となって戦い抜くことをお約束いたします。ご声援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます」

 昨季4位だったことを考えれば、小菊新体制はマイナスからのスタートに臨むことになる。ACLは決勝トーナメントに進出し、ルヴァンカップも天皇杯も8強に駒を進めている。リーグ戦とは対照的にカップ戦では好調だ。新監督に求められるのは、リーグ戦での成績の安定と、カップタイトル。チームは28日からJ1リーグ第27節、そして9月1日のルヴァンカップの第1戦、5日に第2戦と連戦を戦う。その相手はいずれもガンバ大阪だ。

 大阪ダービー3連戦をいかに戦うか。新監督の手腕が注目される。


This article is a sponsored article by
''.