上写真=25試合で16失点。川崎Fの堅守はもちろんチョン・ソンリョンの貢献によるところが大きい(写真◎J.LEAGUE)
「クロスがそのまま入ったので集中しないと」
リーグ戦で続くアウェー7連戦も、第25節サンフレッチェ広島戦で5試合をクリア。第26節のアビスパ福岡戦、第27節の北海道コンサドーレ札幌戦と、ひとまず南北の両雄との対戦を残すのみとなった。
その広島戦では1-1のドロー。強風に悩まされて、2試合続けて引き分ける形になった。GKチョン・ソンリョンにとっては細やかに気を配る必要があった。
「シュート、クロス、ロングキックと気をつけなければいけなかったので、準備をして臨みました。でもそれは私だけではなく、すべての人が集中しないといけないことでした」
5月26日の湘南ベルマーレ戦以来、久々に先制ゴールも許した。27分に柏好文に蹴り込まれたが、すべての選手が瞬間的に集中力を欠いたミスだと指摘。とはいえ、失点はその一つに抑えて、73分にレアンドロ・ダミアンが決めて無敗を伸ばした。
同じミスを繰り返してはいけない、とチョン・ソンリョンは引き締める。福岡との前回対戦は3-1で勝利を収めているが、チョン・ソンリョンは負傷で欠場していた。
「守備が堅く、クロスの多いチームだと思っています。外国籍選手でいい選手が多くて、終盤にはパワープレーも出てくると思うので、注意が必要です」
福岡には、前回対戦で見事なFKを決めたエミル・サロモンソンが右サイドバックに、パワーとスピードを併せ持つジョルディ・クルークスが右サイドハーフに入ることが多い。さらには、最前線にはポストプレーの得意なフアンマ・デルガド、パワーシューターのジョン・マリ、欠場が続くがテクニシャンのブルーノ・メンデスもいる。中でも、サロモンソンとクルークスのサイドからのクロスはハイクラスだ。
「クロスに対して出る・出ないの判断を試合中にしっかりとしていきますし、サイドからクロスを上げさせないようにチームで意識して話をしないといけないと思います。福岡がセレッソと対戦したときにはクロスがそのままゴールに入ったので、集中しなければいけません。サロモンソン選手のフリーキックも強烈なので、気をつけなければ」
そのC大阪戦ではクルークスのクロスがそのまま飛び込む格好となって、90+6分の劇的勝ち越しゴールとなった。最後の最後まで危険なクロスを阻まなければならない。広島戦で一瞬抜けてしまったと反省する集中力が、より試される緊迫のゲームになりそうだ。