上写真＝伊佐耕平は39分、右CKから見事なヘディングシュートで同点とした（写真◎J.LEAGUE）
■2021年8月15日 明治安田生命J1リーグ第24節（＠ニッパツ/観衆4,752人）
横浜FM 5-1 大分
得点者：（横）前田大然3、レオ・セアラ2
（大）伊佐耕平
「北斗がいいボールを蹴ってくれました」
そこしかないところに飛んできたボールに合わせて、そこしかない一瞬をとらえて跳んで、ヘッドでたたきつけた。大分トリニータは39分、右CKから伊佐耕平が決めて、1-1の同点に追いついた。
「僕はあそこに入れと言われたところに入って、（下田）北斗がいいボールを蹴ってくれました」
先発は今季5試合目、出場は12試合目となる横浜F・マリノスとのアウェーゲームで、結果を残した。下田が自慢の左足で届けたピンポイントのキックも絶品だったが、DFに挟まれながらジャンプしてとらえた伊佐のヘッドもベストのタイミングで、ボールはゴール左へと吸い込まれていった。今季初ゴールだ。
しかし、終わってみれば1-5の大敗だった。悔やまれるのは序盤の連続ビッグチャンスだ。15分に増山朝陽のワンタッチパスで抜け出した小林成豪のシュートは足にうまく当たらず左に切れ、その直後、プレスからパスミスを誘い、下田が伊佐に届けると右足で低く小さくバウンドする巧みなシュートでゴール右を狙ったが、GK高丘陽平のファインセーブに阻まれた。
絶好調の横浜FM相手に、片野坂知宏監督はブロックを作って引きこもることはしなかった。いつもの3バックではなく4バックでスタートして、前からボールを奪いにいくスタイルで勝機を探った。
「結果としては5点取られたのでなんとも言えないですけど、いい部分は出せたかなと思います」
ピッチの上での手応えは確かにあったのだ。15分に伊佐が迎えたチャンスはまさにそれで、伊佐がプレスのスイッチを入れると右サイドで増山が連動、相手のパスを下田が引っ掛けてワンタッチで前に送り、伊佐がフィニッシュというショートカウンターだった。
「見てもらったらわかると思いますけど、前から積極的に取りに行くことを仕掛けていった中で、かいくぐられるシーンも多くありましたが、うまくいくシーンもあったのでそれを増やしていきたいし、このレベルでサッカーができれば攻撃のチャンスは作れると思うので、やられたけれどいい部分をやめてしまうのではなく続けてやっていければと思います」
大量失点したからといって、できたことまで消えてなくなるわけではない。
「落とせる試合はもうないので、しっかり目の前の1試合を戦っていきたい」
4チームが降格する中、下から2番目の19位で、残留圏までは7ポイント差。残留には茨の道が続くが、まだ何も決まっていない。この日、横浜FMを相手にできたことを次につなげるまでだ。前からのプレスも、伊佐のゴールも。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
