上写真=フィッカデンティ監督は大幅に補強した横浜FCとの再開初戦に向けて「どういうメンバーで来るかわからないので難しい試合になると思います」と警戒(写真◎スクリーンショット)
「フレッシュな選手を試合ごとに加えながら」
名古屋グランパスのファン・サポーターにとってはもう分かりきったことだが、改めて列記してみると、スケジュールがすごいことになっている。8月は実に8試合。
8月2日 天皇杯3回戦 名古屋1−0岡山
8月9日 J1第23節 横浜FCvs名古屋
8月12日 J1第18節 横浜FMvs名古屋
8月15日 J1第24節 名古屋vs湘南
8月18日 天皇杯ラウンド16 名古屋vs神戸
8月22日 J1第25節 名古屋vs福岡
8月25日 J1第26節 札幌vs名古屋
8月29日 J1第27節 名古屋vs清水
続く9月も7試合が控えている。
9月1日 ルヴァンカップ準々決勝第1戦 名古屋vs鹿島
9月5日 同第2戦 鹿島vs名古屋
9月10日 J1第28節 名古屋vs徳島
9月14日 ACLラウンド16 名古屋vs大邸FC(韓国)
9月18日 J1第29節 名古屋vs横浜FM
9月22日 J1第32節 FC東京vs名古屋
9月26日 J1第30節 名古屋vs大分
6月から7月にかけてもAFCチャンピオンズリーグの6試合をタイで戦っていて、ビッグクラブの宿命とはいえ、選手たちの心身へのダメージは誰の目にも明らかだ。マッシモ・フィッカデンティ監督もその過酷さを改めて振り返る。
「単純にゲーム数が多くてしばらく続いて、疲労が重なって、そのあとにようやく和らげる期間あって、ということではないんです。隔離された中で35日間も過ごさなければならなかった。サッカーの日程がきついだけではなくて、生活環境も厳しくてダメージになるだろうと思っていましたが、その期間が終わって休んだら疲労が抜けました、ということはありません。頭は切り替えているつもりでもすっきりしなかったりすることもあります。だから、ダメージは残っているという感覚で進めていかなければなりません」
中2日、中3日がほとんどとなるここからの過酷な2カ月は、なおさらていねいな選手起用を探っていく。
「監督としては選手をどう起用していくか。ベースとなるスタートメンバーをしっかりと作った上で、それをいじってぐるぐる回すほど選手が多くいるわけではありませんが、フレッシュな選手を試合ごとに加えながらベースを保ちながら回していくことになります」
その上で選手に求めるのは「気持ちを見せること」である。
「ダメージがある中でも、言い訳を口にしながら年末まで過ごすことは受け入れられない、と選手には話しています。だから、気持ちを見せてやっていこうよと。もちろん、できない選手がいても責めるべきではありません。それだけ厳しいことを強いられているのです。だから、何とかチームをうまく持っていきたいと作業しているところです」
名古屋はJ1では中断前までに21試合を消化して勝ち点37で5位につけている。首位の川崎フロンターレとは21ポイントの差があるものの、来季のACL出場圏内の3位に位置するヴィッセル神戸とは1試合消化が少ない状況でわずか4ポイント差だ。ルヴァンカップではベスト8からのスタートで鹿島アントラーズと戦い、天皇杯は神戸とのラウンド16へ。そしてアジア王者への戦いもある。
フィッカデンティ監督も、気持ちを見せる戦いが続いていきそうだ。