上写真=前田直輝が待望の初得点。名古屋は6連勝とはならなかったが、負けなしで6試合を乗り切った(写真◎ 2021 Asian Football Confederation)
■2021年7月7日 ACL・G組 GS第6節(@ラジャマンガラ・スタジアム/無観客)
浦項 1-1 名古屋
得点:(浦)タシチー
(名)前田直輝
「浦項さんの方が圧が強かった」と前田直輝
中2日の6連戦、最後は今季初のドローとなったが、名古屋グランパスは手を抜くことなく勝ちにいって、負けなしでACLのグループステージを乗り切った。
名古屋は前節で首位通過を決定したあとの試合。マッシモ・フィッカデンティ監督は「勝利を目指す」と宣言して臨んだ通り、メンバー構成で若手に経験を積ませることに特化したようなビッグサプライズはなかった。GKでランゲラックに代わって武田洋平を起用、センターバックには20歳の藤井陽也を加えたほかは、これまで多くの経験を積んできた選手ばかり。
浦項スティーラーズは2位は確定しているが、ラウンド16進出のためには、東地区5グループの2位チームのうち、成績上位の3チームに入る必要がある。グループGは最も早く試合を消化しているので、ここで勝って勝ち点を13にして他グループにプレッシャーをかけておきたいゲームだった。
そんなこの試合における意味合いの微妙な差は、プレーにも現れた。ボールを持ってゴールに迫りたいのは浦項の方。しかし、そこに立ちはだかったのが武田だ。30分の決定的なシーンでは、クォン・ギピョの至近距離からのヘディングシュートを右手一本ではじき出し、ゴールを守った。
すると今度は、前田直輝だ。後半開始間もない51分、右から持ち込んで中央の阿部浩之に渡すとそのままゴール前へ、阿部のパスを齋藤学が狙いながらも右に流れたところで、前田がボールを収めて得意の左足に持ち替えてからニアを撃ち抜いた。待望の今大会初ゴールが先制弾となった。
「前節で突破が決まっていて、モチベーションは難しくはないし消化試合もないと思っていますけど、浦項さんの方が圧が強かった。その中でゴールできてよかった」
そう振り返ったのは、決めた前田だ。この後はお互いに交代策を使いつつ一進一退の攻防となった。名古屋は74分に左からの山崎凌吾の折り返しにマテウスが狙うがGKがセーブ、1分後には今大会初出場のガブリエル・シャビエルのパスに山崎が左足で鋭くゴール右を狙ったが、これもGKが指先で触ってかき出した。
守備では浦項のていねいなパスワークにも落ち着いて対応していった。しかしそれでも、同点に追いつかれてしまう。88分、ロングパスに背走しながらボールをコントロールしようとした藤井のトラップが乱れてこぼれ、これを狙っていたタシチーがそのままシュート。好セーブを連発していた武田の股下を抜かれた。結局このまま、1-1でタイムアップ。
「1位通過はうれしいですけど、同点に追いつかれたのはチームとしての詰めが甘い。トーナメントに行ったら1点が大きな意味を持つので、チームとして集中したい」
前田は一瞬のスキを悔やんだが、それは次のラウンドで晴らせばいい。一発勝負のラウンド16は、9月14日か15日に行われる予定だ。
写真◎2021 Asian Football Confederation