上写真=柴戸海の追加点に喜ぶ浦和の選手たち。アウェーで首尾よく2-0の勝利を収めた(写真◎J.LEAGUE)
■2021年6月23日 明治安田生命J1リーグ第19節(@三協F柏/観衆3,263人)
柏 0-2 浦和
得点:(浦)宇賀神友弥、柴戸海
「真摯に向き合って続けるしかない」とネルシーニョ監督
水曜日のナイトゲーム。中2日で迎えた浦和レッズは前節から9人もメンバーを代えたからだろうか、なかなか気持ちよく攻めることができない。小さなズレが相手の餌食になって引っ掛けられては逆襲を食らう。
28分に武藤雄樹のループぎみのパスに興梠慎三が抜け出してヒールパス、走り込んだ汰木康也が狙ったシーンが前半最大のチャンス。これはシュートが右に外れて、ゴールはならなかった。ほかにも「小さなチャンス」はなかったわけではないが、どこかちぐはぐ。
「小さなチャンス」なら、ホームの柏レイソルにもあった。開始早々の2分のクリスティアーノのシュートを合図に、イッペイ・シノヅカ、瀬川祐輔、アンジェロッティが狙っていく。
どちらもピリッとしない展開はしかし、「主役」登場のプロローグだったのかもしれない。61分にピッチに現れたのは、浦和レッズの主力であるFWキャスパー・ユンカーとMF小泉佳穂。空気が一変した。
ピッチに入った直後にユンカーがゴールに迫って攻撃への強い意志を示すと、64分についにこじ開ける。中盤でセカンドボールを拾った小泉が左の山中亮輔に展開するとクロス、DFが触って流れたボールを関根貴大が拾い、後ろに下げたところでペナルティーエリア外から宇賀神友弥がていねいにミドルシュートを送り込んだ。相手クリアが落ちてくる場所を見極めた小泉の「予測力」がゴールのきっかけになった。
柏はこの失点の前から準備していた交代策をそのまま実行し、失点直後に山下達也を投入して5バックに変更した。ネルシーニョ監督は押し込まれる展開に「守備を補強しようとした」という狙いを明かしたものの、展開は大きく変わらず。77分に瀬川祐輔、1分後に山下がゴールに迫ったものの実らなかった。
すると81分に浦和が追加点。山中の左CKが逆サイドに抜け、柴戸海が左足で蹴り込んで2-0として、勝利を確実なものにした。
連敗を阻止したリカルド・ロドリゲス監督は、9人が代わった陣容でもしっかり勝利をもぎ取った事実を喜んだ。
「パフォーマンスもそうですし意気込み、気持ち、インテンシティも保つことができました。前節とはだいぶ人が変わりましたが、その中でも全員がいいプレーを続けることができたのはポジティブです」
柏は3連敗のあと一つの引き分けをはさんでから、これで4連敗。8戦勝利なしと苦しみは続く。ネルシーニョ監督は「この状況を変えられるのは他の誰でもなく我々しかいないから、真摯に向き合って続けるしかないと選手にも話しました」と、あきらめることなく進んでいくことを強調した。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE