上写真＝アダイウトンがゴールに迫る。風のように決勝ゴールを決めて勝利をもたらした（写真◎J.LEAGUE）
■2021年6月19日 明治安田生命J1リーグ第18節（＠ニッパツ/観衆3,537人）
横浜FC 0-1 FC東京
得点：（F）アダイウトン
「選手は最後まで躍動してくれました」と早川監督
雨を切り裂く疾風のブラジルトリオだ！
FC東京は31分、自陣でセカンドボールを拾ったアダイウトンが、ハーフウェーラインを越して左前のレアンドロに預けたところからスピードアップ、前を向いて中に持ち出すと、その前を斜め左にディエゴ・オリヴェイラが走っていく。足元に滑り込んできたボールを左に持ち出したところで、インサイドを割って走ってきたのがアダイウトン。ディエゴ・オリヴェイラのラストパスを受けて蹴り込むと、GK六反勇治の股下を抜けてゴールに転がり込んだ。パス3本、わずか11秒で決めてみせたこの一発が、結局決勝点になった。
前半は一進一退の攻防だった。どちらも左サイドを攻撃の狙い目にして、横浜FCは左サイドバックの武田英二郎、左サイドハーフの高木友也が前進していってクロスを供給した。28分には武田のクロスにクレーベがGK波多野豪に競り勝ってヘッドで押し込むが、ぎりぎりのところで森重真人がかき出した。FC東京も今季のリーグ戦で初出場初先発のバングーナガンデ佳史扶が左サイドバックに入り、左サイドハーフのアダイウトンとのコンビで何度もアタックを仕掛けた。
後半も「左対左」の構図は変わらない。FC東京は開始から本来左サイドバックの日本代表、小川諒也を右サイドバックに投入。長谷川健太監督が「横浜FCのストロングは高木選手のクロスからクレーベ選手のヘッド」と警戒してフタをした。
それでも横浜FCが攻勢に出るシーンが増えていった。56分には武田がインターセプトから突き進んで左足を振ったシュートは右ポストへ。79分には高木が左で受けて一瞬のスキを狙って左足でシュートを放ったがわずか左へ。さらには90分に中村俊輔の右CKをフリーになっていた渡邉千真がヘッドでたたくが、これもわずか左へ。押し込みながらもゴールを割ることができず、追いつけそうで追いつけなかった。
横浜FCはこれでJ1で3連敗。早川知伸監督は「0-1ということで試合巧者の東京さんという形になってしまいましたが、選手は最後まであきらめずに躍動してゴールへ向かう姿勢、戦う姿勢を見せてくれました」と一定の評価。しかし、「アタッキングサードの質で差がまだあります」と惜敗の要因を見つめていた。
FC東京はタイトに守って逃げ切り。長谷川監督は「先制するところまでは良かったですが、なかなか次の1点が入らずに、危ない場面もあって体を張って守ったゲームでした。気持ちが勝敗を左右したと思います。私たちには大きな1勝です」と、ルヴァンカッププレーオフステージ第2戦で湘南ベルマーレに快勝した流れをこの試合に持ち込むことに成功した。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
