上写真=今季ここまで18試合すべてにフル出場している山根視来(写真◎J.LEAGUE)
W杯につながる試合に出られるチャンス
チームの好調に、攻守両面で大きく貢献している。攻撃では大胆かつタイミングの良い攻め上がりでゴールをに絡み、守備ではハードかつタイトな守りで失点を防ぐ。右サイドバック、山根の働きぶりが、今季の川崎Fに大きな実りをもたらしているのは間違いない。
スタミナも特筆ものだ。チームで唯一、今季の18試合すべてに先発フル出場。まさしく代えの利かない存在であり、その重要性は指揮官の鬼木達監督も認めるところ。さらに来週からはW予選に臨む日本代表の活動に参加予定と、休む暇はない。ただ、本人はプレーできる現状を前向きにとらえ、代表戦に向けてもポジティブな言葉を口にした。「自分の持っているものをすべて出して必ず予選を突破できるようにしたいと思っています」「W杯につながる試合に出られるチャンスは、なかなかないことだと思います。ただ僕の立場からしたら親善試合でも全部の試合で100パーセント以上のものを出さないといけないと思っているので、すべての試合に良い準備をして臨みたいと思っています」。
代表招集について聞かれた際のこれらの答えに、山根視来という選手の姿勢が表れているだろう。「全部の試合に100パーセント以上を」「すべての試合に良い準備をして臨みたい」。それは代表戦に限った話ではなく、フロンターレでの試合でも同じ。常に全力。常に全身全霊。試合終盤でもゴール前まで果敢に攻め上がってどん欲に得点を狙うプレーは象徴的だ。一瞬たりとも手を抜くことがない。
代表活動に臨む前には、リーグ戦2試合が控えており、26日に湘南と、30日には鹿島と対戦する。一戦必勝で集中してきた山根はもちろん、まずは古巣である湘南とのゲームを見据えている。当然ながら、その試合でも一切、手を抜かない。抜くはずがない。ありったけの力を注ぐ。
「(最近の湘南は)守備が整理されていて、危ない場面が少ない。相手にずっと攻め込まれるようなシーンもあまりない。やるべきことをみんなが分かってサッカーやっているんだろうなと思います」とその印象を語り、難しい対戦相手になると警戒した。その上で、しっかり勝利をつかむの青写真も描く。「まずは得点というところで、3点以上取りたいですし、あとはバランスのところを意識したい。いかに攻撃陣を前に残しながら守備するのかとか、みんなで話しながらできたらいい」と、前節の横浜FC戦で後半に失点してしまったことを反省しつつ、戦い方のさらなるブラッシュアップを誓った。課題を放置しないところもまた、山根がいまだ成長を続ける理由だろう。
湘南に勝ち、鹿島を下して、気持ちよく代表活動へ。3月の初招集ではデビュー戦でゴールを決め、強烈なインパクトを残した。2度目の代表招集となる今回も、本人は変わらず全てをぶつけるつもりでいる。フロンターレが誇る驚異のサイドバックは、日本の右サイドでも、存在感を示すことになりそうだ。