上写真=今季ここまで16試合のうち、13試合に出場しているジョアン・シミッチ(写真◎J.LEAGUE)
本当にフロンターレの選手は能力が高い
今季加入のシミッチは、すっかりチームに欠かせない存在となっている。古巣との名古屋との連戦で見せたハイパフォーマンスは記憶に新しい。出して動くを基本とするチームにあって、アンカーの位置でシンプルにボールを配り、攻撃の流れをしっかり作るプレーも板について来た。
12日の仙台戦は連戦の疲労を考慮されてメンバー外となっていたが、明日16日の札幌戦は万全な状態で臨めそうだ。
「これまでにも札幌とは何度も対戦していますし、今年のキャンプでも対戦しました。どういうチームかは理解しているつもりですが、今季も難しいゲームをこなして彼らも勝利も収めている。ただ、自分たちはいつも通り相手を意識するのではなく、自分たちのサッカーにフォーカスして臨まなければいけないと思っています」
気力も充実している。名古屋から加入して4カ月あまり。チャンピオンチームの中でプレーする喜びを実感しているという。
「本当にフロンターレの選手は能力が高い。監督をはじめコーチングスタッフのメンタリティーも素晴らしい。クラブの施設や環境もビッグクラブに値するものが整っています。このクラブに関わるすべての人が喜びを感じながら仕事できているのではないかなと思います。ただし、自分たちは今の状況に満足していません。これからもドンドン勝ち続けて新しい歴史をつくれるように努力しているところです」
新しい歴史をすでに築き始めている。明日の札幌戦に勝てばチームは昨季からの継続で22戦無敗となり、リーグ記録を更新することになる。2位名古屋との勝ち点差も1試合消化が少ない状態で7ポイントつけている。札幌に勝てば、5月の時点で10ポイント差がつく。連覇への道を突き進むが、シミッチには慢心も油断もなかった。
「札幌は素晴らしいチーム。対戦するのには難しいチームだとも思っています。彼らはポジションというものを特に決めずに、すごく動きのあるサッカーをします。こちらがマークに付くのも難しいところがありますが、ただ自分たちに何をしなければいけないかと言えば、あくまで自分たちのリズム、スタイルをしっかり出すことです。それがすべて。どれだけ自分たちのスタイルでプレーできるかだと思います」
なぜ、今季加入ながらこれほど早くフィットできたのか。そもそもスタイル適性があったことは間違いないが、その謙虚な姿勢も大きかったと思われる。学ぶ姿勢と言い換えてもいい。フロンターレの中盤で扇の要としてプレーする背番号6。札幌戦でも、重要な役割を担うことになりそうだ。