上写真=15日の清水戦の指揮を執ることになったマッシモ・フィッカデンティ監督(写真◎J.LEAGUE)
モチベーションは以前より高い
フィッカデンティ監督は4月29日の川崎フロンターレ戦当日にノドに痛みを感じ、オンサイト検査でも結果保留となった。そしてその後のPCR検査で陽性の判定。チームは指揮官不在となり、29日、そして5月4日と川崎フロンターレに連敗した。続く8日のセレッソ大阪戦で勝利を収めたものの、12日の鹿島アントラーズ戦でも敗れ、指揮官がいない間の4試合は1勝3敗と厳しい結果に終わった。
重要なゲームと指揮官も考えていた川崎Fとの2連戦を、まったく予期せぬ形で迎えることになった影響は小さくなかった。
「いつもと明らかに違う状態で選手たちがプレーしている。そういう姿を見ていて残念な部分がありました。表裏一体というか、選手たちとつながっていて、その点の強さがあった一方で、やはりあのタイミングでいきなり私が欠けた状態となり、影響は出てしまった。試合の中ではそれぞれ役割がありますが、一人が欠けたことで影響が出てしまったと思います。私がいなくてもやれると思っていた部分もあったのですが。これらのことを踏まえ、取り組み方に関して、私がいてもいなくても、という部分を上げていかなければいけない。そういう話をチームでしています」
図らずも不在の在を示すことになった2週間を経て、指揮官は新たな視点を得たと明かす。「われわれの強みは、自分たちのやり方で、自分たちの取り組み方を試合で出せるところです。ですから結果よりも、われわれが試合でどういう姿勢で戦ったのか。その点ついて、すぐに手をつけなければいけない。今回のように非日常的なことがチーム内で起こったときに、いつも通りの力を発揮できなかったのは、まだわれわれのレベルがそこまでだったということ。次回からは、それを乗り越えていかなければと思います。むろん、次回というものがある話でもないのですが、ただ私は彼らのことをよく知っているので、ここからまた良い状態、戦う集団に戻すことはそれほど困難ではないと思っています。(選手たちは)しっかりとスイッチが入っているという手応えがありますので、明日からまた戦っている姿をファミリーの皆さんに見せたいと思います」。
症状は比較的軽く重症化することはなかったものの、ウイルス量は多いとの診断があり、「しばらくは陰性にならないかも」と不安な日々を過ごしたとフィッカデンティ監督は明かした。「振り返るときつかった」という体験を経て、「そういう人の気持ちがわかるということを、今後に生かしていきたいと思います。何かがあれば、何かを得ていくべきなので」と話す。今回の経験を教訓として、気持ちはしっかり前を向いている。
Jリーグエントリー資格認定委員会で承認され、明日15日の清水戦の指揮を執れることになった。
「『2週間ぶりにみんなと会って、名古屋に対する思い、モチベーションは2週間前よりもはるかに高いものをもって帰ってきたから』と選手には伝えました。そして、いろいろと話す時間があるくらいなら、走って、少しでもトレーニングをして、やるべきことをやって強くなろうと言いました。あとは結果をしっかり出す。皆さんに見てもらいたいと思います」
2週間ぶりに帰ってきたフィッカデンティ監督。チームを引き締め、再び戦う集団となって勝利を目指す。