4月24日、明治安田生命J1リーグは第11節が開催され、鹿島アントラーズはヴィッセル神戸とカシマスタジアムで対戦。前半に古橋亨梧に先制点を奪われたものの、反撃に出た後半に三竿健斗のパスから上田綺世が同点ゴールを奪取し、引き分けに持ち込んだ。

上写真=同点ゴールを決めた鹿島の上田綺世(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月24日 J1リーグ第11節(@カシマ/観衆10,223人)
鹿島 1-1 神戸
得点:(鹿)上田綺世
   (神)古橋亨梧

点取り屋の決断。「一番チャンスになるところに」

 55分、相手ゴール前で上田綺世がうずくまった。空中戦から着地までの一連の動きの中で、右腕を痛めたようだ。「腕を振りづらそうで、痛そうにしていた」と相馬直樹監督は心配したが、上田はプレーを続けた。その右腕が上がっていないのは、誰の目にも明らかだっただろう。それでも手負いのストライカーは、鹿島のエースたるゆえんを見せつけた。

 64分、三竿健斗から鋭い縦パスが上田の足もとへと送られる。上田は「健斗くん(三竿)に分かりやすいように自分なりに動いて、そこにピタリと、ピンポイントのパスが来た」とボールを収めた。「足もとにピタッと止めるか、左足の前に置いて(シュートを)打つか、いろいろ考えた」と言うが、数あるプレーの選択肢の中から「一番チャンスになるところに(ボールを)置けたら」と前方のスペースにコントロールし、体勢を崩しながらシュートに持ち込んだ。

 右足から強引に放たれたボールは相手DFの足に当たり、ゴールネットへと吸い込まれる。「コースを狙って、ということはできなかったけれど、気持ちで押し込めた」と、勝ち点を手繰り寄せる同点ゴールを挙げた。そして、上田を祝福するために駆け寄ってきたチームメイトとのハイタッチは左手で行なった。

「実は、あのタイミングで代える準備をしていた」と相馬監督は明かし、そこで結果を残した背番号18について「持っているな」と驚く。上田はゴールから4分後に、スタジアム中を包む拍手の中で染野唯月と交代した。

「数少ないチャンスを自分で作って、それを決めるということは、やっぱりワントップだとできなければいけない。(ゴールの場面は)それがうまくできたシーンかなと思います。こういう試合で勝たせられなければいけない。今日の試合は1-1ですし、もう1点必要でした。僕は1試合1試合の結果にこだわっていきたいと思っています」

 どんなときでもゴールを目指し、そして結果を残してみせるのが上田綺世という点取り屋だ。次はチームに勝利をもたらすために、背番号18はまたゴールへと向かっていく。

取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE


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