東京オリンピック開催99日前となる4月15日に、FC東京のセンターバック、渡辺剛がオンライン会見に登場。金メダルを狙うチームの一員を目指す思いと、だからこそ日々の練習や試合にすべてをかける意欲を語った。

上写真=渡辺剛は前節は出場停止で、川崎Fとのバトルの機会を逃した。その分をこれから取り戻していく(写真提供◎FC東京)

「ライバルが増えたことになるので」

 4月14日は東京オリンピックの100日前。U-24日本代表の一員としてこの大会に出場して、金メダル獲得の目標を成し遂げる野望を燃やすのが、FC東京のセンターバック、渡辺剛だ。

「昔から(代表入りが)確定している選手というよりは、滑り込んでなんとか候補に入ってきた選手だと思うので、可能性のあるところに立たせてもらってチャレンジできている現状に感謝しています」

 雑草魂、だろうか。いわゆるエリートではないからこその向上心が、目の前の東京オリンピックという大舞台によって研ぎ澄まされていく。

「うまいことして生き残れるような選手ではないので、サッカーを楽しくやりながら出したいプレーをバンバン出して、監督やスタッフの目に止まって使えるなと思われるプレーをできればと思っています。海外の選手とやれる自信はあります」

 まっすぐに戦うスタイルが言葉からもにじみ出る。だからこそ「出たかった!」のが川崎フロンターレとの「多摩川クラシコ」。その前の北海道コンサドーレ札幌戦で一発退場し、このビッグマッチは出場停止。欠場が悔やまれる。

「一番意識してきた試合です。川崎というライバルと戦えて、去年はホームで負けていたので、自分たちがどれだけ成長したかを図れるチャンスでした。だから、出たかったんです」

 国内最高の攻撃陣を抱える川崎Fと戦えば、オリンピックに向けた国際親善試合ではないものの、現在の自分の、FC東京の現在地をより精密に推し量れたはずだった。

「自分は出られませんでしたが、勝てなかったのは自分たちに力がないことを改めて感じました」

 川崎Fとの差は認めざるを得なかったが、試合はまたすぐにやって来る。リーグ戦とルヴァンカップで連戦続きで、少しでも多くのプレー機会をこなすことで、オリンピックにもつながっていくはずだ。

 大きな刺激になりそうなのが、新加入のブルーノ・ウヴィニが間もなく合流できそうなこと。4月5日に来日したことが明らかにされ、Jリーグが一括管理する14日間の待機期間を経てチームへ合流する予定なので、間もなくチームメートの前にその姿を現すはずだ。ブラジル代表の経験も持つセンターバック。早くプレーを合わせていきたい。

「(オンラインなどで)まだ交流はないですけど、すごい選手だと知っています。ただ、合わせるというよりはライバルが増えたことになるので、そこに負けない気持ちを持ちつつ、自分の良さも忘れずに、という感じでやりたいと思っています」

 まだまだ成長の途上にある若きセンターバックが、「オリンピック」「ウヴィニ」という刺激的な存在を感じながら、前に進んでいく。


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