川崎フロンターレ戦で大分トリニータは4バックを採用し、序盤は互角の戦いを演じながらも、最後は力尽きることになった。右サイドバックとして今季初先発を果たした松本怜が試合後に取材に応じた。

上写真=ドリブルでボールを前線へと運ぶ松本怜(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月3日 明治安田生命J1リーグ第7節(@等々力陸/観衆9,810人)
川崎F 2-0 大分
得点:(川)三笘薫2

今後の自信になったと思います

 松本は、4バックの右サイドバックとして今季初先発を飾った。相手の3トップによる苛烈なプレスをいかにかい潜り、ボールをつなぐか。それが大分にとってはこの試合の大きなポイントだった。その中で松本が担った役割が、ボールの預けどころになることだ。ビルドアップの際に、外を切ってくる相手に対して、それでもボールを受けてしっかり前進させること。松本は、そのタスクを序盤から実践した。

「相手は技術も高いですし、戦術もしっかりしていて、やりにくかったですけど、その中でも自分たちのサッカーの通用する部分をすごく見いだせた。それは今後の自信になったと思います」

 後半はフォーメーションを変更し、3バック(守備時は5バック)となったが、つなぐ意識はしっかり持っていた。安易に蹴り合うことはなく、ビルドアップしていく。必然的にゲームは見ごたえのあるものになったが、大分がアタッキングサードまで行く回数が限られたのも事実だった。

「割とボールを握れる時間帯もあったので、あとはその時間帯をもうちょっと増やして、攻撃にパワーを使える時間を増やせていけば、結果につながっていくと思います」

 ボールを握り、動かせていた時間があった。しかしながらゴールチャンスを生み出すことができなかった。大分が能動的にプレーする時間をさらに増やし、その時間にきっちりゴールを取り切る力をつけることが何より重要だと松本は言った。

 対面する相手の左ウイング・三笘薫に対しては「仕掛ける技術も高いですし、スピードもあって嫌な選手なのは分かっていたので、そこでいかに深いところもまで持っていかれないというのは意識してやりました」とプレースタイルを頭に入れて臨み、実際に自陣深い位置まで進入させないように対応した。だが、セットプレーの流れからと、中央でのプレーから2ゴールを許してしまった。チームとしての封じ込むことはかなわなかった。

「個人的に、久々にスタメンで使ってもらったんですけど、勝ちたかったというのが正直な気持ちです」

 手応えをつかんだ一方で、足りない部分も見えた試合。これでチームは3連敗。課題をしっかり把握し、修正して次に向かうと誓う。

「連敗してしまっていますが、早めに連敗を抜けて、引き分けでもいいので、とにかく勝ち点を積んでいくということが今年はすごく大事になってくると思う。泥臭く頑張っていきたい」

 川崎F戦を終え、大分の順位は15位。今季のJ1は4チームが降格するレギュレーションだ(17位以下)。ポイントをきっちり積んでいくことが何よりも重要になる。だからこそ松本は「とにかく勝ち点を積んでいくことが大事」だと強調する。

 次戦は中3日で迎えるアウェーの神戸戦。連敗ストップへ、泥臭くポイントを取りにいく。


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