2021年4月3日、明治安田生命J1リーグ第7節が開催された。埼玉スタジアムではホームの浦和レッズが鹿島アントラーズに攻守両面で圧倒して、2-1で競り勝った。4試合ぶりの白星で、敗れた鹿島は3連敗となった。

上写真=明本考浩はスピードをフルに生かして、移籍後初ゴールで先制し、追加点のPKも獲得するなど出色の出来(写真◎J.LEAGUE)

■2021年4月3日 明治安田生命J1リーグ第7節(@埼スタ/観衆9,975人)
浦和 2-1 鹿島
得点:(浦)明本考浩、槙野智章
   (鹿)関川郁万

・浦和メンバー:GK西川周作、DF西大伍、岩波拓也、槙野智章、山中亮輔、MF柴戸海、関根貴大(86分:宇賀神友弥)、武田英寿(68分:伊藤敦樹)、小泉佳穂(74分:杉本健勇)、明本考浩、FW武藤雄樹(74分:興梠慎三)

・鹿島メンバー:GK沖悠哉、DF常本佳吾、関川郁万、町田浩樹、永戸勝也、MF三竿健斗(77分:舩橋佑)、 レオ・シルバ(77分:遠藤康)、荒木遼太郎(77分:ファン・アラーノ)、白崎凌兵(62分:松村優太)、FW エヴェラウド、上田綺世

「この試合を基準に続けていく」(リカルド・ロドリゲス監督)

 序盤からゲームを支配したのは、前節からスタメンを5人入れ替えた浦和だった。

 自陣から丁寧にパスをつなぎ、鹿島のプレスをはがして、敵陣の深い位置までボールを運んだ。30分過ぎには武藤がドリブルで持ち込み、武田英寿とのコンビネーションで決定機をつくる。35分にも武田が絡んで好機を演出。

 そして、0-0で迎えた37分、小泉佳穂が大胆なサイドチェンジで一気に局面を打開する。右サイドでボールを受けた西大伍は、左裏のスペースへ絶妙なアーリークロス。走っていたのは明本考浩だった。あっという間に相手GKと1対1となり、落ち着いてゴールへ。ピッチを大きく使った攻撃が実を結んだ。1点リードの前半終了間際、混戦から鹿島の関川郁万にヘディングで同点ゴールを奪われたが、後半も流れは渡さなかった。

 浦和の勢いは止まらない。司令塔の小泉を中心にテンポよくパスをつなぎ、敵陣へ侵入。巧みなビルドアップで相手のプレスをいなし、チャンスをつくり出していく。1-1の66分には武藤のスルーパスに明本が抜け出し、PKを誘発。ボールをセットしたのは、この日キャプテンマークを巻いた槙野智章だ。気合をこめた右足の一発はゴール左隅へ。勝ち越し点を決めると、雄叫びを上げながらベンチに走り、リカルド・ロドリゲス監督と熱い抱擁をかわした。

 浦和はリードを奪った後も素早い攻守の切り替えで相手を圧倒し、ゴールに迫り続けた。70分には山中亮輔の左クロスから関根貴大が頭で押し込む。VARでゴールこそ取り消されたものの、アグレッシブに攻める姿勢は随所に垣間見えた。スタジアムに詰めかけたファン・サポーターも満足したのだろう。終了の笛がなると、大きな拍手が鳴り止まなかった。

 4試合ぶりにリーグ戦で勝利をつかんだリカルド・ロドリゲス監督は、笑みを浮かべながらオンライン会見に姿を見せた。

「すごくいい試合になった。攻守ともに成長している段階。いつも出ていたメンバーとは違う選手たちが多く出たが、遜色ないプレーを見せてくれた。いい結果を得ることができた。満足しているところもある。今後もこの試合を基準に続けていきたいと思う」

 47歳の誕生日を迎えたスペイン人指揮官は、いつもに増して饒舌だった。

 一方、敗れた鹿島のザーゴ監督は、結果以上に試合内容を嘆いて、言葉少な。

「過去にこんな悪い試合はなかった。選手同士の距離が遠く、強度も高くなかった」

 リーグ戦は3連敗。開幕から6試合を消化し、勝ち点4のみ。苦しい状況が続いている。

取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE


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