3年4カ月ぶりに日本代表に招集された浦和レッズの西川周作は川崎F戦で痛恨の5失点を喫して反省しながらも、堂々と前を向いた。修羅場をくぐりに抜けてきたベテランは、決してネガティブになることはない。

上写真=5失点を反省した西川周作。悔しい敗戦となった(写真◎J.LEAGUE)

■2021年3月21日 明治安田生命J1リーグ第6節(@埼スタ/観衆4,679人)
浦和 0-5 川崎F
得点:(川)小林悠2、レアンドロ・ダミアン、旗手怜央、脇坂泰斗

「GKとして何かできることはなかったか」

 5失点を喫してもうなだれず、前を向いた。浦和レッズの守護神として、ゴールマウスを守り続けて8年目。修羅場をくぐり抜けてきた西川周作の口からはネガティブな言葉を聞いたことはない。川崎F戦後のオンライン会見に姿を見せて、冷静に試合を振り返っていた。

「前半はみんなも、感覚としてやれていたと思う。その中でひとつのピンチから失点してしまった。後半の入りのところで点を取りに行こうと円陣でも話していたのですが、いい入りができなくて、(失点を重ねる)難しい展開になってしまった。ゴールキーパーとして何かできることはなかったのか、と反省している」

 0-5の大敗。春の嵐のような天気のなか、どんよりした空気が埼玉スタジアムを包み込んでいた。試合後、西川は下を向くことなく、場内をぐるりとゆっくり回り、ファン・サポーターにしっかり挨拶していた。現実から目をそむけることもなく、じっとスタンドを見ていた。

 次から次に失点を重ねたが、GKのミスらしいミスはなかった。完全に守備網を崩される形がほとんどだった。むしろ、要所でのセーブは光っていた。今年6月で35歳を迎えるが、安定したセービングに加え、正確で鋭いキックもいまなお健在だ。そのパフォーマンスは森保一監督にも再び認められ、常に目標としていたというA代表に3年4カ月ぶりに招集された。3月25日の日韓戦に向けて、明日からは代表チームの一員として活動するが、当然ながら浦和の立て直しにも心を砕く。

「大敗のあとは気持ちが大事。次にどうつなげいくかを考えないといけない」

 自らのパフォーマンスを高めるだけではなく、チーム力を底上げするためにベテランとして、やれることはすべてやるつもりでいる。

取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE


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