上写真=徳島戦に向けて調整する田川亨介(写真提供◎FC東京)
途中からではなく最初から積極的に
浦和とのJ1開幕戦は、後半の81分からピッチに登場した。1点を追う状況。自身に期待されることを田川はよく分かっていた。チームにアグレッシブさをもたらすべく、前へ前への姿勢を示す。
森重真人のゴールが生まれたのは、86分。田川の登場から5分後のこと。CB渡辺剛のロングフィードに反応し、相手よりも早く落下地点へと移動。ジャンプしながらトラップを試みた。そこを相手浦和DFの岩波拓也にスライディングされ、ファウルの判定を受けた。
結果的に、田川が得たFKから得点につながる。三田啓貴の左で蹴ったインスイングのボールに森重が飛び込み、同点弾。FC東京は勝ち点1を持ち帰ることに成功した。
「前線からの守備のアグレッシブさだったり、奪った後の攻撃の勢いが足りなかったかなと思います」
「途中から出るということは絶対、アグレッシブにやらないといけないし、前半から出ている人の分まで走らないといけない。アグレッシブさは自分のストロングでもあるので、そこはやらないと」
三田や青木拓矢、そして田川ら途中出場した選手たちがチームを前傾姿勢にさせたのは間違いない。ただ、田川は「あれを最初からどんどんやっていけば、自分たちのペースになると思いますし、相手もそれでちょっとビビるじゃないですけど、そういうことも考えられると思うので、そこは継続したい」と、試合の入りからアグレッシブに戦えるようにしたいとチームとしての反省を口にした。
浦和戦から中3で迎えるルヴァンカップ開幕戦、徳島とのゲームではより長い時間の出場も見込まれるが、「気持ち的にはリーグ戦とあまり変わらない。カップ戦だからどうとか、そういう認識ではない」と、普段通り試合に臨むつもりでいる。相手のイメージについては「うしろからしっかりビルドアップしてサイドに展開するというイメージはあるんですけど、個々の能力やアグレッシブさは負けないと思っています。そこをしっかり出していきたい」と必勝を誓った。
定位置どりを目指す中で、カップ戦の舞台は自身をアピールする格好の舞台でもある。序列を変えるためにも結果がほしいところ。
「チーム全員で連動しながら最後まで走り抜いていく姿を見せられたらいいと思っています。個人的にもゴールに絡んでいければ」
今季の『ホーム開幕戦』となる、今宵の徳島戦。2021年シーズンにかける田川の『本気』が見られそうだ。