セレッソ大阪の新しいディフェンスリーダー、瀬古歩夢が血気盛んだ。開幕戦は強力な攻撃陣を誇る柏レイソルを相手に完封勝利。昨季の主力だったマテイ・ヨニッチ、木本恭生が移籍したいま、新たな自覚を胸にピッチに立つ。

上写真=開幕戦は柏を相手に完封勝利。瀬古歩夢が守備のリーダーとして引っ張った(写真◎J.LEAGUE)

「はがせればチャンス」

 2020年のJリーグベストヤングプレーヤーが、新しいシーズンに燃えている。瀬古歩夢が20歳にして、セレッソ大阪の新ディフェンスリーダーとしての覚悟をまぶしく放つ。

 2月27日の開幕戦では柏レイソルと対戦して2-0の勝利を収めた。昨季のセンターバックのパートナーだったマテイ・ヨニッチも木本恭生もチームを去った。

「いままでセンターバックを組んでいた2人がいなくなったことで、去年からのセンターバックは僕しかいなくなりました。必然的に自覚を持たないといけないですし、もっともっと大きく成長していくためにそういう一面も大事だと思っていたので、いい機会になったと思います」

 こうして世代は入れ替わっていく。ここからは瀬古の時代だ。柏戦で組んだのは19歳の西尾隆矢とのコンビ。

「中学の頃から一緒にセンターバックでやってるし、意思疎通は自分たちではできていました。育成出身の19歳と20歳の選手で完封できたのは、いまの育成の選手に夢を与えられたかなと思っています」

 C大阪のアカデミー育ちの2人でゴール前の壁となり、柏の強力な攻撃陣をはね返して完封してみせた。兄貴分としての堂々たるプレーぶり。試合中でも積極的に声をかけるようになった。

「スローインのときやラインコントロールするとき、プレーが止まった瞬間に声をかけるようにしています。自分の声は通りにくいので腹から出してるんですけどね」

 そんなふうに笑わせるが、腹の底から出し続けることで、声も心も成長していくのかもしれない。

「今年から監督が代わりましたが、守備の部分は積み上げてきた部分があるので継続しながら、攻撃の部分は新しい面白い攻撃をしようとキャンプからやって来て、開幕戦で融合できていい形で勝利できたと思います」

 面白い攻撃、という表現が興味深い。そこを目指してセンターバックの瀬古としてはどう関わるのか。

「昨年に比べて前へのパス、くさびのボールはより多くしようと思っています。でもその中でミスが正直すごく多かったので、個人のスキルをアップしていくしかないと思います」

 3月3日にはいきなり王者川崎フロンターレと対戦する。昨年は2-5、1-3で2試合とも敗れている。

「昨年はホームもアウェーも負けている悔しさがあります。川崎は個人個人がうまいし献身的に前線から守備をしてきます。でも、それをはがせればチャンスはありますし、そのクオリティーを持った選手がセレッソにはいますから、勝利できる可能性はあると思っています」

 昨年は等々力で自らゴールを決めている。「2戦連発」を決めて、次こそは勝利を!


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