上写真=1試合目にゴールを挙げた汰木康也(写真◎URAWA REDS)
昨季の自分ではイメージできない
今季、移籍3年目を迎える汰木康也が飛躍の予感を漂わせている。SC相模原戦では変幻自在の動きでチャンスを数多くつくり、ゴールまで奪った。1試合目の前半終了間際に明本考浩の折り返しを中央で受けて、冷静に右足で流し込んだ。
「一つ結果を残せたことは良かったですが、ゴール前の質にはもっとこだわっていきたい」
今季の初得点を手放しで喜ぶことはなかったものの、ゴールに持っていく形には手応えを感じている。
「昨季までの僕からはイメージできない動きでした。今季は中に入る動きが増え、より自由にできるようになっています。プレーの幅が広がりました」
昨季は鋭いドリブルと素早い動き出しからの裏への飛び出しなどで持ち味を発揮。リーグ戦で30試合に出場し、主力と呼べるまでに成長した。それでも、まだ成長段階の25歳。今季は左サイドでますます存在感を放っている。山中亮輔とのコンビネーションで崩していく形は、いまやチームの大きな武器。相模原戦でも、2人の呼吸はぴったりだった。
「いまは新しいことに取り組んでいるところです。探り探りやっています。コミュニケーションを取りながらチャレンジしています。開幕までに完成度は100%にならないかもしれないですが、前に出ていく強みは継続して出していきたいです」
守備面の改善点も多い。プレスのタイミングがいまひとつつかめていないのだ。決して悪くはないものの、目指すべきサッカーの理想形が高いだけに現状に満足はできない。
「相手の右サイドバックに圧力をかけて、前でボールを奪い切りたい。いまはそれにトライしている段階です」
リカルド・ロドリゲス監督が率いる新チームも、新しい汰木も、もっともっと伸びていく。進化していく姿から目が離せない。
取材◎杉園昌之 写真◎URAWA REDS