上写真=高い戦術理解度と切れのあるプレーで田中達也はアピールを続けている(写真提供◎浦和レッズ)
「僕の好きなサッカーです」
今季、大分トリニータから完全移籍で浦和レッズに加入した田中達也は、充実したキャンプを過ごしている。
「(リカルド・ロドリゲス監督の目指しているのは)僕の好きなサッカーなので楽しくやれています。どのポジションであっても、やることは変わりません。抜け出してクロスなのかシュートなのか。それが外から抜けるのか、中から抜けるのかの違いです」
沖縄キャンプ中に一時離脱したものの、すでに戦列に復帰。チームメイトたちと相互理解を深める努力を欠かさない。
ただ、リカルド・ロドリゲス監督の戦術はいち早く理解しているようだ。ロアッソ熊本で渋谷洋樹監督にポジショナルプレーの基礎を教わり、大分トリニータの片野坂知宏監督にはさらに発展した形を叩き込まれた。熊本と大分との共通点が多く、すんなりと頭に入ってくるという。組織として数的優位をつくる方法論など、語り始めると止まらない。ポジショナルプレーの仕組みをすらすら言語化していく。
「これまでのポジショナルプレーに比べれば、枠組みをはみ出さない範囲内で自由度は高い。空いているスペースにドリブルで運んでいくことも多く求められています」
田中が最も意識するのは、相手の立ち位置と動き。相手がプレスを掛けて来るよりも早くパスルートをつくり、いかにボールを安定して保持するかを考えている。トレーニングで頭をフル回転させるだけではない。ホテルの部屋に戻っても、ポジショナルプレーの研究をしている。同じようなスタイルのイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ、イタリア・セリエAのサッスオーロの試合をチェックしている。
「無理に勉強をしているという感覚はないんです。気が付いたらサッカーを見ている感じなので」
リラックスして読む漫画までサッカーもの。四六時中フットボールに浸る28歳は、リカルド・ロドリゲス監督のスタイルを体現し、ピッチで躍動することを誓う。
「サポーターがわくわくするようなサッカーをしたい。ゴール、アシストで貢献して喜びを分かち合いたいです」