上写真=4名の新加入選手とネルシーニョ監督がスローガンを手にフォトセッション(写真提供◎KASHIWA REYSOL)
オルンガの穴埋めに新FW獲得の可能性も示唆
新体制発表に登壇した新戦力は4人。新規入国制限により来日できないブラジル人MFドッジとアンジェロッティはビデオメッセージでの参加となった。昨季に比較すると、オフの動きは思いのほか小さかった。ただ、ネルシーニョ監督は、今回の補強がしっかりとした考えのもとに行なわれたと説明した。
「昨年は戦うディビジョンがJ1からJ2に上がったというところで、それ相応の選手をそろえないといけなかった。昨年は9人の選手をそろえたと思いますが、その中で1シーズン戦ってみて、いい結果をもたらしてくれたと思っています。ゲームに関わるとか、そういった部分で、非常に良い働きをしてくれた。ですから、今シーズンに関しては選手数を増やす必要はないと考えました。強化部の方とも話し、今季は量ではなくて質だと。必要性に応じて、考えた、絞られた補強をした」
ハードなシーズンを戦い抜き、積み上げたものがチームにはある。そのベースに肉付けすることが今年のテーマ。足りないピースを加えたと指揮官は強調する。二人のブラジル人MFについても、チームにプラスアルファをもたらすと期待を寄せた。
「ドッジは攻撃的なボランチで、スピードがあっていいシュートも持っています。中盤で機動的に動きながら、状況によっては相手のゴール前まで出て行くことができる。非常にモビリティーの高い選手で、右利きです。それに対して、アンジェロッティというのは左利きの攻撃的MFでまだ若い。彼もモビリティーがあり、スピードもあります。技術も高く、トップとしても起用できるタイプの選手ですし、両サイドも可能だと思っています」
緊急事態宣言が3月7日まで延長され、新規の入国制限が2月中に解除されるかは現時点では不明だ。2月27日の開幕までにチームに合流できるか否かも分からないが、「スタートダッシュがこちらの臨む通りできない可能性もありますが、入国はこちらでどうこうできない部分。いま現地には今季から我々のスタッフとして加入するコーチがおりますので、彼がしっかりと選手をコーディネートし、見てくれています。チームとあまり差ができないように、そして来日後にスムーズに活動に入っていけるように準備しています」と、ネルシーニョ監督は現状について語った。
また、昨季、28得点を挙げた大砲オルンガの抜けた穴埋めという問題についても、以下の通り、自身の考えを説明している。
「2シーズン合わせて50得点を取れるような選手の代わりを見つけるのはそう容易ではありません。ただ、我々はこういったことを見越して、補強ポイントを絞ってきたわけです。まだウインドウ期間内ですので、レイソルの強化部の方で今しっかりと、選手補強については協議を続けてくれていると思います。そのポジション(=FW)も、やはりクオリティーというものが重要です。ミカ(オルンガ)のように、適応するような時間がかかる選手は多いと思いますが、そうであってもチームとともに成長していけるような、伸びしろのある選手を強化部を中心に協議していると思います」
新FW獲得の可能性を示唆しつつ、オルンガ移籍の影響を最小限にとどめ、新加入選手を含めた現チームの選手の力を最大限に発揮させることで新シーズンを戦っていくとした。新外国人選手が来日できないのは想定外だったが、それでも「最大限、やれることをやる」と、状況を受け止めている。
「最良の結果を求めて戦うのは当然ですが、昨年よりもいいシーズンにしたいと思っています。そのための補強であったり、これまでの準備があります。チャンピオンになりたいかと聞かれれば、それはもちろん『イエス』ですが、それはこちら側から発信するのはまだ早い。まずはキャンプも含めて、いい準備をすることにフォーカスしたい。2月27日の開幕戦から5月末までの90日近い日数の中で23試合組まれています。今シーズンも非常にタフな日程であることは変わりません。ほぼ中3日で試合が続いていきます。ですから開幕までの時間を有意義なものにしたい。トレーニングの中で、しっかりと考えを浸透させたいと思います」
目標に関して、大言壮語は一切ない。極めて現実的にやるべきことに注力し、結果を導く。百戦錬磨の指揮官は、コロナ禍でスタートする2021年シーズンをいかに戦っていくか、すでにくっきりと鮮明な青写真を描いている。