上写真=沖縄キャンプで守備の向上に力を注ぐ丸山祐市(写真◎名古屋グランパス提供)
きつい中でどれだけできるか
昨季の名古屋は、J1の34試合で28失点。守備に関しては1試合平均で1失点以下という堅守を誇った。これは優勝した川崎フロンターレよりも3失点少ないリーグ最少の数字だ。反面、得点は45点で、リーグで12番目。目に見える結果からもチームの改善ポイントは明白だ。実際、補強では攻撃陣の拡充を図っている。
取材に応じた丸山も、攻撃面について開幕までに「どれだけバリエーションを持てるか。積み上げられるか」と期待を寄せた。ただ、自身の本分についても、さらなる向上を考えていた。堅守を支えたCBは、守備にさらに磨きをかけたいと話す。
「最少失点でシーズンを終えられましたが、1点でも少ないことを追い求めてやっていきたいと思います。攻撃の選手がたくさんいる中で、このキャンプで僕自身、いろんな対応の仕方ができると思う。僕自身も成長できるようにやっていきたい」
攻撃陣に新たな選手が加わったことが、自身の守備スキルを磨き、チームの守備力向上にもつながると語った。
今季、名古屋は目指すのはタイトルの獲得になる。リーグ戦はもとより、ACL、天皇杯、ルヴァンカップとハードな日程を戦うことになるが、連戦を見据えてキャンプからしっかり取り組んでいる。
「自分のコンディションを上げていきたいですし、チームとしてももっともっといい状態に持っていければいいと思っています。連戦があるので、強度を上げて、きつい中で、どれだけできるかというのもあります。体的にはきつい部分ありますけど、どれだけできるかというのを追い求めてやっていきたい」
今、徹底的に追い込むのは、厳しいシーズンを戦い抜くためであり、結果を出すために他ならない。ACLのグループステージは、4月21日から5月7日まで期間に集中開催されることが発表されている。場所はまだ未定だが、シーズン中に国外へ出かけて連戦を戦い、再び国内に戻ってJ1を戦うのは、簡単ではない。リーグタイトルを目指すなら尚更だ。
ただ、チームは昨季、堅守という大きな武器を手に入れた。その大崩れしないベースをつくり上げた一人が、他ならぬ丸山だ。守備の中心である丸山の働きと覚悟が、やはりタイトル奪取には欠かせない。