上写真=合流初日、沖縄キャンプで練習を指導するマッシモ・フィッカデンティ監督(写真◎名古屋グランパス提供)
FWはリクエストしている
指揮官は、意欲に満ちていた。入国後、2週間の自主隔離期間を経て、この日チームに合流。選手たちのはつらつとした動きを実際に確認でき、改めて新シーズンへの意気込みを口にした。
「2週間、合流できない期間を過ごしていましたが、毎日毎日、映像を見ながらやりとりして、チームの状況は把握していました。しっかりと自分の目で見るという意味では今年初めてだったんですが、ちゃんと映像や資料でもらっていた通りに、選手たちはトレーニングを積み重ねてきたなという印象です。いつも通り、名古屋でしっかり走ってから、沖縄で仕上げていくという作業が例年通りにできると思っています」
今オフには、柿谷曜一朗、齋藤学、長澤和輝、木本恭生、森下龍矢とJリーグで実績を残してきた選手や注目の若手選手を補強。3位に入った昨シーズンからさらに上を目指すための陣容を整えた。名古屋はオフ期間にも注目を集めたチームの一つだった。
「ベースになるべきものは去年、成績もそうですが、ある程度つくれたと思います。そのうえでさらにどういう選手を加えるべきか。そういう私の願いとともに新しい選手が入ってきましたし、選手に来てもらう前に、彼らが来てくれることでこういうサッカーにしていきたいとそれぞれに話しました。そして彼らは今後の名古屋のサッカーに興味を持って、移籍という道を選んでくれた。その意味では、みんながチームのやり方に自然と合ってくるはず。必要な時間をかけつつ、毎日を無駄にしないようにやっていきたい」
ビジョンは明確で、補強にも理由がある。今季はACLにも出場するため、ハードなシーズンになるが、しっかり戦い抜くために準備を進めるつもりだ。むろん新加入選手がチームに馴染むまでには時間も必要だが、「もともといる選手と新しい選手の融合について、お互いのサポートの姿勢だったり、積極的に吸収していくという貪欲さの部分もいい状態に見えます」と、雰囲気がよく、スムーズにチームが一つになる手応えも感じている様子だった。
一方で前線については「駒数が足りない」との認識もあり、引き続きクラブに補強をリクエストしていると指揮官は明かした。層の拡充を図り、そのうえで昨季のベースに「ポゼッションも守り方も点を取る形も」色んなパターンをブラッシュアップするプランを描く。
目指す先にあるのは、当然ながらタイトルだ。すべてのコンペティションで勝ち取りにいく。