【湘南】2021年のキーワードは波状攻撃。ベースを進化させてより積極的に、より大胆に！

競争して共有して進んでいく

　メンバーは約3分の1が入れ替わった。もちろん、その狙いは進化するためだ。新しいベルマーレが目指すのは、J1残留だけに留まらない。昨季は勝ち切れない試合が多かったことが課題となったが、新戦力にアタック陣が大いのは、そのことと無関係ではない。

　PCR検査の結果は陰性だったものの、新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者に特定されたために自主隔離中である浮嶋敏監督は、この日、リモートで会見に参加。新シーズンに目指すサッカーについて自身の考えを語った。

「攻守にアグレッシブなサッカーは当然、われわれのベースですし、変えるものではないですけども、より攻撃に人数をかける。それは誰か一人が点を取るのではなくて、ボールを失ったあとも、プレスをしっかりかけてボールを奪い返す、波状攻撃を仕掛けるサッカーをしていきたいと思います」

　コンセプトは変えずに、これまで積み上げてきたものをブラッシュアップしていく。即時奪回からの波状攻撃がキーワードになる。そのためには連動したプレスと攻撃の実現はマストであり、チームが一つになって戦う必要がある。会見で発表されたチームのスローガン「一（One Bellmare）」には、コロナ禍という厳しい状況の中で、選手とスタッフ、サポーター、地域の人々、スポンサーなど湘南ベルマーレに関わるすべての人々が一つになって戦うという思いが込められている。そしてそこには、ピッチ上でプレーする選手たちが一つのチームになって戦うという意味も当然、含まれている。指揮官はシーズン初めのミーティングで選手たちにこんな言葉をかけたと明かした。

「選手に、今シーズンのスローガンの話をしました。一人一人がいるだけではただの集団ですし、しっかり自分の特長、意見というものを出してほしい。一つにまとまろうとすれば、必ずぶつかり合うものが出てきますし、そういうぶつかり合うも早くぶつけ合って、そこで生まれる摩擦のエネルギーをしっかり熱に変えて、前に進んでいける強いチームになってほしいと言いました」

　最下位から始まる新しい湘南ベルマーレの物語。昨季の悔しさを糧に、チームは同じ方向を向いて、つまりは上だけを見て、2021年シーズンのスタートを切った。

2021年シーズン　湘南のメンバー

【写真で紹介】新シーズンを湘南で戦う12人の新戦力！（写真提供◎湘南ベルマーレ）4