Jリーグは12月22日、活躍した選手を表彰する2020Jリーグアウォーズを開催した。サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、今季のベストイレブン受賞者にインタビューを実施。圧倒的な強さでJ1を制覇した川崎フロンターレがベストイレブンに過去最多の9人が選ばれ、大卒ルーキーながらリーグで最大級のインパクトを残した三笘薫もMF部門で受賞者となった。

上写真=2020年のベストイレブンを受賞した三笘薫(写真◎J.LEAGUE)

2020年Jリーグベストイレブン 
三笘薫(川崎フロンターレ)

 ルーキーがいきなりベストイレブンに輝いた。圧倒的な強さでJ1リーグ3度目の優勝を果たした川崎フロンターレにあって、三笘薫が残したインパクトは強烈だった。スラロームのような美しいドリブルと印象的なフィニッシュの数々。

 13ゴールで新人最多タイに並び、2020Jリーグアウォーズのベストイレブン選考では最多得票となる238票を獲得した。これはMVPとなったオルンガ(柏レイソル)を超えるナンバーワンの数字だった。

 そんな、2020年のJリーグの一番星が振り返る、ルーキーシーズンの興奮と、今日から始まる未来への思い。

ダブルタッチで抜く手法が身についた

画像: 今季は何度もサポーターに歓喜を届けた三笘。ルーキーとは思えない大活躍だった(写真◎Getty Images)

今季は何度もサポーターに歓喜を届けた三笘。ルーキーとは思えない大活躍だった(写真◎Getty Images)

――ベストイレブン受賞、おめでとうございました。MVPの可能性も話題に上がっていました。

三笘 ベストイレブンに入ることができたのは光栄です。素晴らしい選手がいる中で、投票してくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。MVPは狙ってはいないですし、結果を出さなければいけないと思っていたので意識はしていませんでした。もちろん、選ばれればうれしい気持ちはありますが、それよりもチームのことを考えてプレーしてきたし、MVPにはオルンガ選手がふさわしいと思います。

――集まった238票は、そのオルンガ選手の225を超えて最多となりました。

三笘 他のチームの選手やスタッフの方々から評価されるのは、試合の中でもゴールを決めたり目立ったりする選手で、そこは自分の中で手応えあったので、評価していただけたんじゃないかと思っています。

――プロ1年目の今季、全30試合出場を果たし、内訳は先発が11試合、途中出場が19試合となりました。この数字をどうとらえていますか。

三笘 自分の中ではスタメンの方が多くないといけないと感じていますし、全試合スタメンじゃないと、というぐらいの気持ちです。もちろん過密日程で難しい部分はありますが、スタメンの方が多くないといけないと感じています。それでもベストイレブンに選んでいただけたのは途中出場での活躍があったからですけど、そこでしか活躍できないという見方もできるので、自分には満足していないですし、スタメンでゴールやアシストを重ねていくことで認められると思うので、そういった面では満足していません。

――最後は先発を確保しました。

三笘 途中出場で結果を残した際に、次はスタメンで使われると思った試合でも使われないことがあって、どうしてだろうと思ったときもありましたけど、やはり求められている役割が違うと感じましたし、チームの中でも途中出場の方が生きると感じていました。もちろん、スタメンで何試合も出て結果を残すということはやっていかないといけません。1週空いたりしたときにスタメンで出ることが多かったので、過密日程の中でも先発できるように実力を出していかないといけないと思っています。

――三笘選手といえば圧巻のドリブルですが、プロになって質を変えた部分はありますか。

三笘 抜き方のレパートリーの中では一つ、ダブルタッチで抜くという手法は身につきました。相手の間合いというか、大学生だったら飛び込んでくるところもプロだったら飛び込んでこなかったり、逆もしかりというところもあるんですけど、フィーリングの部分は徐々に成熟されていったと思っていて、それが判断のところで良くなったことにつながったと思っています。オフ・ザ・ボールのところは自分の中では長所ではなかったんですけど、チームメートのプレーの質のところや動き方を学んで、自分の中でもオフ・ザ・ボールでも勝負できると思ったので、そこは成長した点かと思います。

――ゴールは13。新人最多タイという素晴らしい結果です。

三笘 最初の頃は途中出場が多くて、自分の価値をアピールしなければと思っていました。アピールしなければ出られない競争がある中で、毎試合、結果にこだわってきて、最後にスタメンでの出場が増えていったので、途中からでもスタメンでもできるところを見せたいと思ってきて、最後に少しは形になったんじゃないかと思います。

――アシストも12を記録しています。

三笘 自分の中ではキャリアで一番高い数字ですし、どちらも2ケタを記録できると思っていなかったので驚いています。


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