上写真=自身の古巣、鹿島とのゲームは白熱した展開で1-1のドロー(写真◎Getty Images)
連勝で11月21日に優勝決定
11月18日の試合を前にして、川崎フロンターレの最短優勝は21日となるが、優勝決定の条件を整理しておこう。関係してくるのは次の3試合。
11月18日 川崎F vs横浜F・マリノス
11月21日 大分トリニータvs川崎F
11月22日 浦和レッズvsガンバ大阪
この週末に川崎Fの優勝が決まるのは、以下のケースになる。
(1)川崎Fが勝ち点6(○○)
(2)川崎Fが勝ち点4(○△、もしくは△○)でG大阪が勝ち点1以下(△もしくは●)
(3)川崎Fが勝ち点3(○●、もしくは●○)でG大阪が勝ち点1以下(△もしくは●)
(4)川崎Fが勝ち点2(△△)でG大阪が勝ち点0(●)
(1)であれば無条件で21日に決定するが、それ以外は翌日のG大阪の結果によるということになる。
「私たちはいま、本当に試されている」
ここ2試合は北海道コンサドーレ札幌に0-2で敗れ、鹿島アントラーズに1-1で引き分けている。ややトーンダウンととらえるのが妥当ではあるが、鬼木達監督は別の見方を提示する。
「こういうゲームを勝っていかなければ本当の意味で強くならないんだろうなと思いますし、各国の強いチームは何回も何回もモチベーションの高いチームと戦って勝ってきているわけです。ですから私たちはいま、本当に試されていると思っています。これを超えていかなければいけないですし、力に変えていきたい」
2位に14もの勝ち点差をつけて首位を独走していても、本当に強いチームではない、とするのだ。鹿島に引き分けて得た勝ち点1をポジティブにとらえていると話したが、より高い次元に視点を置いている。
「(鹿島戦出先制したあとに)2点目、3点目を取りに行く姿勢はなかったわけではないですが、相手の圧力を押し返す勇気をもっともっとつけていかなければいけないです。いままでよりも自分の目の基準を厳しくして選手たちに伝えているので、選手たちは頑張ったと思っているけれど、この子たちならやらなければいけない……いや、自分がやらせなければいけないという思いが強くなりました」
どんどんゴールを取りに行く……原点に立ち返ったというわけだ。
「ゲームは結局、得点のところですから、もっともっとフォーカスしていかなければと思っています。細かいことを言うと、結果としてゴールの数で圧倒してきているけれど、内容で言ったら五分五分だったり負けてもおかしくないゲームはたくさんあって、それを最終的にスコアでひっくり返してきました。だから、そこにこだわるのは大事だと思います」
内容が良くても悪くても、ゴールという絶対基準でねじ伏せてきた事実。それができなかったこの2戦が、鬼木監督にとってはもう一度ゴールラッシュを目指す意欲に目覚めるきっかけとなったのだ。
その鹿島戦では、大島僚太と長谷川竜也を途中交代でピッチに送り込んで復帰させた。どちらもリーグ屈指の攻撃力を備えたアタッカー。ここに来てまたしても攻撃力のアップを狙っているのだ。大島は5試合ぶり、長谷川は7月22日のベガルタ仙台戦で負傷して以来、実におよそ4カ月ぶりの公式戦となった。鬼木監督はさらに選手起用に悩むだろう。
「競争が激しくなってくるので、シンプルに練習でのパフォーマンスを見て決めたいなと思っています。対相手というところもありますが、選手の状況を、表情を含めて見極めていきます」
「(鹿島戦では)他の選手も含めて交代選手が入ったあと、また違うパワーを出してくれてゴールに迫ったので、ここからさらに上がっていくのかなと思っています。2人もまだ100パーセントではないけれど、僕が自信を持って使える状況だとは思っています」
ゴールラッシュという原点に意識を戻し、さらに攻撃のタレントを加えて、次の試合に向かう。1敗1分けでトーンダウンするようなチームではない。
「優勝は簡単なことではないと思います。どれだけ勝ち点が離れていても、安心というものは誰一人ないんです。そういう中で戦えるのは幸せですから、楽しみながら、なおかつ強気で言っていけば、違うものが見えてくるのではないかと個人的には思っています」