明治安田生命J1リーグで川崎フロンターレの最短優勝は11月21日になった。残り2試合というわけだが、この2試合は1分け1敗とややトーンダウンしている。しかし、ルーキーの三笘薫は「力まずリラックスしていつも通り」を実践する。

上写真=鹿島戦で対峙する相手をすり抜けていく。三笘薫はそのドリブルで優勝を引き寄せるつもりだ(写真◎Getty Images)

「動くと相手も警戒するだけ」

 優勝が見えている。でもまだ、手が届かない。最短優勝は11月21日だが、暫定2位のガンバ大阪の結果に関係なく自力でつかむには、18日の横浜F・マリノス戦と21日の大分トリニータ戦に連勝しなければならない。

 今季の川崎フロンターレにとっては連勝など朝飯前にも思えるが、ここ2試合は北海道コンサドーレ札幌に0-2、鹿島アントラーズに1-1と勝てていない。三笘薫に聞いてみた。もしかしてこれが、優勝へのプレッシャー?

「僕自身はプレースタイル的にも力むタイプではないですし、常にリラックスして動いているので、開幕戦もいまもどんな状況でも同じプレーをしようと心がけています。チームとしてもあまり(優勝は)意識していないですし、一戦一戦やることを意識していて、過去の試合と変わらずと思っています。札幌や鹿島との試合では、緊張感というか硬いというよりは、いつものプレーができていないときもありましたし、距離感が悪くて連動していなかったり体が重いのは感じられました。常にいつも通りやらないとですね」

 確かに力まないというか力が抜けているというか、そんな理想的なフォームのドリブルが三笘の魅力だ。だからこそ、相手の対策も精度を上げてきている。その事自体は「感じていないですね」と意に介さないが、反省は常にある。

「ボールを持ったときの自信というのはもちろんありますけど、縦に抜ききるシーンも中に入ってのシュートも少ないと思っています。ボールに参加する機会も他の試合に比べて少なくなってるかなと」

「ただ、オフの動きでノボリさん(登里享平)から受けたり、ボランチからのパスで裏へ抜ける動きがあったので、その回数は増えてきています。自分の動きは理解してもらっているし、最後の質にこだわればもっとチャンスになると思います」

 ボールを持つ「オン」と持たない「オフ」の関係で言えば、「オフ」の向上をより実感しているということだ。

「ボールを受ける前の動きでどれだけアドバンテージを持てるかを意識していますね。オフの動きで裏を取れればゴールに近づくわけで、それが手っ取り早い。そこをうまく自分のドリブルに生かそうと思っているし、少しずつ増えてきているのでゴールにつなげたいですね」

 見る側の楽しみを増やしてくれる「オフ」の駆け引き。具体的には「止まる」「向ける」「動く」の3ステップだ。

「僕はサイドのウイングプレーヤーなので、裏を取るか相手との距離を離して受けるかがメーンになります。いかに相手の重心や矢印を自分に向けさせるかで、その瞬間に動きだすことを意識しています」

「あまり動かないようにしながら、一瞬で動くようにすれば、僕は初速に自信があるので、一瞬のスピードで逆を突いたときに前に出られます」

 どうしてもボールを持ったときのスピードと技術に目がいきがちになるが、その前に止まることで相手の意識を向けさせておいて、その逆を取って動くという、いわば「見えないドリブル」が、あの美しいスラロームの源なのだ。

「少し受けるような仕草を見せるところはありますけど、動くと相手も警戒するだけですから」

 まずは次の横浜FM戦でその駆け引きを堪能したいが、チームとしては当然、連勝して優勝を決めたい1週間だ。

「昔からフロンターレを見てきて、プロに入って1年目でこれだけの経験ができるということはなかなかないと思います。(中村)憲剛さんの引退もあるし、僕にとっても特別な年だし、フロンターレにも素晴らし1年にしたいと思っています。だから、ここからが大切です。フロンターレは強いと思わせて優勝できるように頑張りたいです」


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