上写真=ゴールを決めたエースを仲間が祝福。長沢はゴールでチームに勇気をもたらした(写真◎J.LEAGUE)
■2020年11月14日 J1リーグ第27節(観衆11,567人/@パナスタ)
G大阪 0-4 仙台
得点:(仙)長沢駿3、柳貴博
・G大阪メンバー◎GK東口順昭、DF高尾瑠、菅沼駿哉、昌子源、藤春廣輝(70分:福田湧矢)、MF矢島慎也(46分:小野瀬康介)、奥野耕平(89分:芝本蓮)、山本悠樹(73分:川﨑修平)、倉田秋、FW唐山翔自(46分:パトリック)、渡邉千真
・仙台メンバー◎GKヤクブ・スウォビィク、DF飯尾竜太朗、金正也、平岡康裕、パラ(58分:柳貴博)、MF椎橋慧也、佐々木匠(89分:シマオ・マテ)、浜崎拓磨(89分:中原彰吾)、山田寛人、FWイサック・クエンカ(83分:石原崇兆)、長沢駿
G大阪の負けなしは12でストップ
ボールの争奪戦で仙台がG大阪を上回った。そしてボールを手にすれば、シンプルに前線へ送り込む。ターゲットとなるFW長沢がボールを競って、セカンドボールをまた、仙台が回収していく。前半のポゼッションは40%と相手を下回ったが、効率の良い戦いぶりで仙台はネットを揺らしてみせた。
17分、クエンカが左サイドを深くえぐってマイナスのクロスを送ると、ターゲットとして、さらに守備面でも献身性が光っていた長沢が左足を合わせて先制に成功する。さらに前半終了間際の44分、左CKの場面で浜崎のインスイングのボールに飛び込んだ長沢が頭を合わせて2点目をスコアした。
17戦未勝利という苦しい状況にある仙台だが、この日は集中した守備とシンプルながらも力強い攻めを展開。とくに前半の出来は素晴らしく、2-0のリードを奪った。
後半、G大阪も18歳のFW唐山に代えてパトリック、矢島に代えて小野瀬を投入して反撃を試みる。しかし、仙台の集中力は途切れることなく、後半も球際バトルと回収力を発揮し、ペースを渡さなかった。
すると75分。仙台がホームチームの心を折る3点目を記録する。決めたのは、またしても長沢だった。右サイドをドリブルで突破した佐々木がクロスを上げると、タイミングよく飛び込んだ長沢が頭を合わせて、この日3点目をスコアした。古巣相手にハットトリックを達成。勝利をグッと引き寄せた。
その後、G大阪に押し込まれる展開になるが、人をしっかり捕まえて自由に攻めさせることはなかった。試合終了間際の89分には柳が左サイドからカットインしてボックス内に進入し、そのままシュート。ダメ押しの4点目を挙げ、試合は決着した。この結果、G大阪はクラブ記録に並ぶ『13戦負けなし』を達成できず、仙台は8月8日の神戸戦以来となる18戦ぶりの勝利を味わうことになった。
「なかなか勝てていない中でも自分たちのやるべきことがやれた時には良いゲームができたり、競ったゲームができていたんですけど、それでなかなか取れない試合が続いてどんどん悪循環になっていった。ケガ人も増えてきて自分たちのフォームが出せなかったんですけど、言っても残り試合は少ないので、今年やって来たことをピッチでやり尽くす、その中で自分たちの価値を確かめていこうと話していました。選手たちは本当に今日、躍動したと思います。やれるんだなと思いました」
敵地で2位チームを撃破した最下位・仙台の木山隆之監督は、フラッシュインタビューでそう言って勝利を噛みしめた。そして勝利に立役者となった長沢は、「ホッとしました。本当に情けない試合をしていたので。(ハットトリックは)ちょっと出来過ぎかなと思いますけど、何とかチームに良い風を吹かせたかった」とこの試合に強い意欲を持って臨んでいたことを明かし、「ホームで全然、勝ててなくて、サポーターの皆さんに悔しい思いをさせているので次は絶対にホームで勝ちたい」と、早くも次戦への意欲を示した。
仙台は次節(18日)、ホームにFC東京を迎え、今季初の連勝に挑む。