上写真=アウェーの大分が逆転勝利を飾った(写真◎J.LEAGUE)
■2020年11月3日 J1リーグ第26節(@ニッパツ:観衆3,704人)
横浜FC 2-3 大分
得点:(横)田代真一、齋藤功佑
(大)島川俊郎、知念慶、田中達也
・横浜FCメンバー◎GK六反勇治、DF瀬古樹、田代真一、小林友希、袴田裕太郎、MF中山克広(80分:草野侑己)、安永玲央、手塚康平、齋藤功佑(69分:志知孝明)、FW瀬沼優司(69分:一美和成)、斉藤光毅(90+1分:杉本竜士)
・大分メンバー◎GK高木駿、DF三竿雄斗、鈴木義宜、小出悠太(74分:高山薫)、星雄次(46分:髙澤優也)、岩田智輝、MF島川俊郎(78分:羽田健人)、田中達也、長谷川雄志(82分:町田也真人)、野村直輝、伊佐耕平(74分:知念慶)
前半と後半で試合が一変
開始直後から横浜FCがボールを支配し、29分にセットプレーから先制点。狙い通りの形で、手塚からのFKを田代が右足で合わせた。直後の32分には瀬古のクロスから齋藤功が豪快なヘディングシュートを叩き込み、一気に2点差となった。「前半は我々のゲームで、素晴らしい内容だったと思う」と横浜FCの下平隆宏監督。だが前半終了間際に失点し、これによって試合が一変するから分からない。
下平監督が「前半終了間際の失点で、少し腰が引けた状態で後半に入ってしまった」と悔やめば、大分の片野坂知宏監督は「後半に向けてどういうふうにひっくり返せるかを準備していた矢先にセットプレーで取ってくれた。この1点が大きかったし、勇気を与えてくれた」と、44分に生まれた島川のゴールを振り返った。
1点差で後半を迎えた大分は、星に代えて髙澤を投入し、シャドーを務めていた田中が左ウイングバックへ。この采配、配置転換が抜群に機能した。髙澤はポストプレーで攻撃の起点をつくり、田中は持ち前のスピードを生かして何度もサイドをえぐった。防戦一方の横浜FCは後半の飲水タイムに2枚替えを行ない、システムを3バックに変更。ミラーゲームにして守備の整理を図った。しかし実情は5バック状態で受け身になり、裏目に出た。
攻め続けた大分がゴールをこじ開けたのは88分。途中交代の知念が振り向きざまに放った強烈なシュートが、横浜FCのGK六反の手をすり抜けて同点に。さらにアディショナルタイムの90+3分、田中のヘディングシュートが決まり、最後の最後で大分が逆転に成功した。
「智輝(岩田)が良いボールをくれたので当てるだけだった。しっかり狙ったとおりに決められて本当に良かった」(田中)
激闘を制した片野坂監督は試合後、「全員で準備してきた成果が、3-2という逆転勝利につながった。またゴール裏にたくさんのサポーターにお越しいただき、勝利をプレゼントできて本当に良かった」と、興奮冷めやらぬ様子で語った。
取材◎多賀祐輔