上写真=ネルシーニョ監督はいまでも勝利への情熱をいまも燃やし続ける(写真◎Getty Images)
決勝のために誰かを休ませることは考えない
10月28日のJ1第30節は、FC東京戦。10日後にはルヴァンカップで対戦する相手だ。前哨戦。周囲はそう見る。だが、ネルシーニョ監督は冷静だ。
「タイトルを取りに行くためにルヴァンカップは大事ですが、優先順位は目の前の敵であるということに変わりはありません。私たちが次に戦うのは『リーグ戦で戦うFC東京』であって、それ以降も1試合1試合、清水、仙台とまた続いて目の前の相手に対して準備していくだけです」
例えば2試合連続で戦うならともかく、清水エスパルスとベガルタ仙台とのゲームを挟むわけで、「東京戦についてはルヴァンカップの決勝を見越して誰かを休ませることは考えていません。現在の戦力のベストで臨みたいと思っています」と勝ち点3を積み上げるために全力で向かっていくだけだ。
「シーズン当初の目標は、いまなお変わらずJリーグというステージで戦い抜くことです。上位戦線に食い込める数字上の可能性も残っています。可能性のある限り、選手と我々は一丸となって、目の前の相手を倒しにいくだけです」
柏は24試合消化のこの時点で勝ち点37の9位。リーグ戦の残りはちょうど10試合となったが、そのうち、現時点での上位チームではFC東京、鹿島アントラーズ、名古屋グランパス、セレッソ大阪、川崎フロンターレとの対戦が残っている。そこで勝っていけば、相手を引きずり下ろして自分たちの上位進出も見えてくる
勝利へのこだわりが強く、勝負師として名高いネルシーニョ監督が強調するのは、「準備」だ。
「自分が何をすべきか理解して把握して、目的は常に勝つことです。勝ち続けることは不可能ですが、念頭に置いているのは勝ち続けるために準備し続けることです」
自らも挑戦を続け、選手にも求める。
「選手たちに常に伝えようと思っているのが、勝利というポジティブな結果を手に入れるために、プロとしてしっかりと戦う姿勢を見せてほしいということです。クラブを代表してピッチに立っているのですから、背負っているのはクラブに関わるすべての人。その気持ちを持ってピッチに入ってほしいと伝えています」
リーグでは一つでも上位へ、そして11月7日のルヴァンカップで頂上へ。柏がいよいよシーズンの山場を迎えようとしている。