明治安田生命J1リーグ第23節で鹿島アントラーズを下した北海道コンサドーレ札幌。次の横浜FC戦で今季2度目の連勝を狙う。菅野孝憲はベテランGKならではの視点で、勝利へのポイントを伝えている。

上写真=菅野孝憲は5試合プレーしていないが、次こそはの思いで準備は万端だ(写真◎J.LEAGUE)

いい意味での開き直り

「そういう運命を持った人ですよね」

 北海道コンサドーレ札幌のGK菅野孝憲はそううなずく。ミハイロ・ペトロビッチ監督のことだ。前節の鹿島アントラーズ戦までで、J1で15年間指揮を執り、199の勝利を積み上げてきた。次で勝てば200勝だ。

「そのことは2、3日前に聞きましたけど、やっぱりうれしいですよね。こんなシチュエーションがホームで訪れるというのは、そういう運命を持った人だと思っています。華を添えるためにも僕たちは全力で戦います。モチベーションになる一つの要因だと思いますし、必ず明日の試合で200勝を達成させるためにも、選手一人ひとりがいまできることに対して自信を持って、勝利を目指していきたいと思います」

 菅野自身はここ5試合は出場がないが、「試合に出ているときと見ているときの感じていることが本当に一緒だったので、あとは結果だけだと思っていました。やっていることは間違っていないし、精神的な面が大きく勝敗を左右しているのかなと思います」とメンタルの重要性を指摘する。

 鹿島戦は1-0の勝利だったが、それも精神面で一歩も引かなかったことが要因だったと感じている。

「何が変わったかと言えば、いい意味での開き直り。ミシャ(ペトロヴィッチ監督)もいつも言うように、必要以上に喜ばず、必要以上に落ち込むなということです。失敗から学び、成功を次により大きくつなげることをみんなで心がけているので、それがうまくいったのかなと思います」

 別の言葉で表現するなら、「怖がらず」だ。

「1試合を通した精神面の安定、ゲームコントロールもそうですけど、そういうところをより意識して自分たち一人ひとりが怖がらずグラウンドに入れるかが勝利への近道だと思います。自分がもし出ることになれば、変わらず自信を持って怖がらず勝利だけを目指して戦っていきたいと思います」

 その相手は横浜FCだ。前回対戦は7月4日の第2節、リーグの再開初戦で戦って2-1で勝利を収めている。相手はリベンジを狙うだろうが、もちろん返り討ちに合わせるつもりだ。

「僕たちも前から奪いにいくので、リスクマネジメントとオーガナイズが必要です。相手の攻撃の一歩目を絶つことができればチャンスを作らせないことができます。その一つ目をつぶせるかつぶせないかで勝敗はだいぶ左右されますし、攻撃で言えば後ろからの安定した組み立てから効果的な攻撃ができれば、間違いなく得点できるチャンスが増えると思っています」

 勝利へのチェックポイントは、怖がらないこと、「一歩目」をつぶすこと、安定して組み立てていくこと。そうすればきっと、ペトロヴィッチ監督に素晴らしい節目の勝利を贈ることができるだろう。

「チームを良くするには勝利が起爆剤になります。連勝が少ないので(7月4日第2節横浜FC戦、8日第3節鹿島戦のみ)、その意味ではただ雰囲気がいいだけで終わらせないように気を引き締めて、より良い雰囲気が作れればいいと思います」


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