上写真=浦和戦で今季8ゴール目をマークしたMF江坂(写真◎J.LEAGUE)
■2020年10月14日 J1リーグ第22節(@三協F柏:観衆2,634人)
柏 1-1 浦和
得点:(柏)江坂任
(浦)興梠慎三
「警戒されるのはうれしい」(江坂)
守備から攻撃に切り替わった瞬間だった。すぐさま敵陣深くに走り込んだ江坂はパスを受けると、スピードを落とすことなく、左サイドからカットイン。そこに一切の無駄はない。一瞬でDF岩波拓也をかわし、迷いなく右足を一閃。強烈なシュートはGK西川周作のニアサイドを抜け、あっという間にゴールネットを揺れていた。本人も手応えたっぷりに振り返っていた。
「いいコース取りができて、いいシュートを打つことできました」
前節では2ゴールをマークしており、今季は8点目。9月以降、コンスタントに得点を重ねている。J1では自身初の2ケタ得点も目前に迫っているが、数字には興味を示そうとしない。
「得点ペースは気にしてないです。きょうも勝ちにつながるゴールを決めたかった。自分の得点よりもチームの勝利がほしいです」
得点ランキングのトップを走るFWオルンガにマークが集中するなか、その近くできっちり仕事をこなすのが神経を集中させている。
「ミカ(オルンガ)が警戒されているので、僕が空いてくる。空いているスペースを見つけて飛び出していくのは、僕のストロングポイントです。いまはいい感覚でプレーできています。周りが見えていますし、一番いい選択ができていると思います」
結果を残し続けることで相手のマークは厳しくなっているが、そこは望むところ。
「警戒されるのはうれしいこと。マークが厳しくなるなかでもいいパフォーマンスを見せたい」
浦和戦でもボランチと最終ラインの間でパスを引き出し、巧みにボールを受けていた。昨季、J2で11ゴールをマークし、勢いそのままJ1でも躍動している。試合後、報道陣からA代表への思いを聞かれると、素直ないまの気持ちを口にした。
「入りたい気持ちはありますが、いまはチームで結果を残さないと。代表はそのあとについてくるものです」
まずは柏の10番として、クラブのために全力を尽くすことを誓っていた。
取材◎杉園昌之