明治安田生命J1リーグで暫定2位のセレッソ大阪を破って、リーグ制覇へまた一歩進んだ川崎フロンターレ。次はJリーグYBCルヴァンカップ準決勝でFC東京と対戦する。センターバックでキャプテンの谷口彰悟が求め続ける厳しさとは。

上写真=C大阪に勝って勝ち点差14に。次はルヴァンカップ決勝進出を決める(写真◎Getty Images)

「要求したいし、してもらいたい」

 改めて、厳しさを自分に求めている。

 暫定2位のセレッソ大阪と対戦したJ1第20節の直接対決は、見事に3-1で突き放して、ついに勝ち点差を14にまで開いた。だが、谷口彰悟には悔恨がある。1失点。しかも、自分とジェジエウという鉄壁のセンターバックの間に奥埜博亮に巧みに潜り込まれて、松田陸からのクロスをヘッドで流し込まれた。

「クロスはもちろんですけど、その前から対応が甘かったシーンがあって、その流れでクロスから持っていかれました」

 ちょうど悪い流れにあるという感覚はあったという。

「今年はクロスからの失点が多いですね…。マークがはっきりしていないシーンが多くて、誰がどうつくのかをより話し合っていかなければいけないと思っています」

 この試合だけではない弱点にもなっているという反省があるが、あの失点は自らに責任を求めた。

「あそこは僕がつかなければいけなかったと思っています。相手2人に対してこちらは3人いたというのは事実ですし、僕が出たときの後ろの位置取りだったり、あるいは僕が出ていかないようにするための後ろからの声掛けは要求していきたいし、逆に要求もしてもらいたいと思います。細かいことを一つひとつつぶしていかないと、ピンポイントの精度の高いクロスが上がってくるとやられてしまいます。もっともっと厳しくいきたいと思います」

 細かいミスはその都度、修正していくつもりだが、その成果が試される次の舞台がルヴァンカップ準決勝のFC東京戦だ。ディエゴ・オリヴェイラ、永井謙佑、レアンドロという、スピードもパワーも兼ね備えた3トップが自慢のチームだ。

「相手は守備が堅くて素早い攻撃を仕掛けてくるスタイルですから、こっちはしっかりボールを持ちながら進めていく展開になるのかなと予想しています。後ろの選手としてはリスクマネジメントにより集中しないと相手のペースになってしまいます。慎重にやるところと強気にいくところはていねいに判断しないといけないと思っています」

「試合が始まってみないと分かりませんが、言葉のニュアンスになっちゃうけど、基本的に僕たちはやられない守備よりやらせない守備を考えてやっています。スピードもパワーもある選手がいっぱいいますけど、怖がってしまって引いたり間延びしたら相手の思うツボです。前線から後ろまで統一感を持った守備をしないと意味がありません」

 慎重で、強気。やられない、ではなく、やらせない。これまで培ってきたスタイルでクールに対応するまでだ。

 ただ、スピードとパワーだけではないのが、また厄介なところ。ディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトンとワイドに入る選手はウイング的に動くというよりは、内側に入ってよりゴールに近いところで決定的な仕事をしてくる。

「まだ詳しく分析してはいませんが、そういうイメージを持っています。メンバーがどうなるかはまだ分からないけれど、ディエゴ・オリヴェイラやレアンドロは嫌なポジション、中間ポジションを取ってきて、組み立ててくることも飛び出してくることもできます。その嫌なところを取ってくる中で、誰がどう捕まえるか、よりしっかり準備していかないといけません」

 超攻撃的フットボールにおける、最終ラインの存在価値。一発勝負の、しかも手強い攻撃陣を擁するFC東京戦を封じ込んで、改めてそれを天下に知らしめる。


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