川崎フロンターレの小林悠が、浦和レッズ戦で5年連続の2ケタゴールを達成した。プロ11年目のシーズンを戦う点取り屋は、2年ぶりのリーグ優勝と2度目となる得点王も視野に入れ、意欲を燃やしている。

上写真=ゴールを決め、最高の笑顔を見せる小林悠(写真◎Getty images)

■2020年9月20日 J1リーグ第17節(@埼スタ/観衆6,357人)
浦和 0-3 川崎F
得点:(川)山根視来、小林悠、レアンドロ・ダミアン

僕ひとりだけの力で取れた点はない(小林)

 抜け目のない点取り屋の真骨頂だった。1点リードで迎えた50分、左サイドの齋藤学と目が合うと、小林悠は相手マーカーの視界からすっと消える。次の瞬間、左クロスをピタリと頭で捉えて、ゴールへ流し込んだ。今季の10点目。ストライカー然とした技ありの一発で5年連続の2ケタゴールを達成しても、試合後は謙虚な姿勢を崩さなかった。

「僕ひとりだけの力で取れた点はありません。仲間が僕の特徴を理解してくれ、パスをくれるから点が取れているんです。本当にチームメイトに感謝したい」

 周囲のアシストに恵まれたのも事実かもしれないが、パスをもらう前の小林の駆け引きは天下一品だ。一瞬でマークを外し、あっという間にゴールネットを揺らしている。J1通算は116得点。川崎FのレジェンドでもあるFWジュニーニョの116点(鹿島時代を含む)と並び、J1歴代9位タイに浮上した。今季の目標は2年ぶりのリーグ制覇。そして、自身2度目となる得点王だ。

「チームの優勝と得点王は最大の目標です」

 得点王争いは柏レイソルのオルンガが16ゴールと独走し、「ここ数年、あれだけの選手は見たことがない」と苦笑しながらも、「がんばります」と意欲は十分だ。

 チームとしては4試合連続で3ゴール以上決めており、その勢いはとどまるところを知らない。終了の笛が鳴るまで全員で得点を狙いに行く姿勢を貫いている。相手に対策されても、それを上回るのが、いまの川崎フロンターレだ。

「オニさん(鬼木監督)がどのチームが相手でも3点以上取ることを意識づけしてくれている。1、2点で守りに入る選手はいない」

 シーズン後半戦も、最強の仲間に支えられているエースのゴールラッシュに期待せずにはいられない。

取材◎杉園昌之


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