プロ2年目のMF安永玲央が横浜FCで頭角を現している。9月9日に行なわれたFC東京戦でJ1デビューを飾ると、続く13日の名古屋グランパス戦で2試合連続のフル出場。元Jリーガーである父親からの教えを守り、プロの舞台で自身の武器を発揮している。

上写真=18日のオンライン取材に応じた安永(写真◎スクリーンショット)

球際の強さで存在感

 J1デビューからの2試合を振り返り、「自分の持っているものは出せているのかなと思う。守備の面でのハードワークは出せている」と安永。チームを率いる下平隆宏監督も「1試合目よりも2試合目のほうが良いパフォーマンスだった。デビューしてから2試合、本当に良いパフォーマンスだと思う」と高評価を与える。

 プロ1年目の昨季はシーズン途中にJ3のカターレ富山に期限付き移籍し、復帰した今季も開幕からベンチ外が続いたが、練習から手を抜かず地道に努力を続けた。指揮官へのアピールが実り、チャンスを得ているが「俊さん(中村俊輔)だったり、大さん(松井大輔)だったり、すごい選手がたくさんいるので気が抜けない」。今は自分のできることに集中し、「目標の10試合(出場)を目指して頑張るだけ」と語る。

 父は横浜F・マリノスなどで活躍し、現在はサッカー解説者を務める安永聡太郎氏。小学3年生から本格的にサッカーを始め、父親の厳しい指導を受けながら育った。「試合を見られるのが嫌だった」と当時を振り返るが、「意見を聞くと納得できた。ウザいこともあったけど、いろいろ助けられた」と感謝を口にする。

 その父からの教えで最も印象に残っているのは「武器を磨け」ということ。「全部できるオールマイティーな選手もすごいけど、重宝されるのは武器がある選手。自分の武器を磨きなさいと言われてきた」。小学生時代からプレーするボランチで磨き続けた球際の強さは、プロとなった今、大きな武器となっている。

 偉大な父を持つ子の宿命か、「どこに行ってもお父さんの息子と言われてきた」という。複雑な思いを抱えながら、「安永玲央として認知してもらえるように、とずっと思ってやってきた」。J1での活躍により、その願いは叶いつつある。「次の大分戦はゴール、アシストを狙っていきたい」。成長著しい19歳は静かに闘志を燃やした。


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