上写真=ゴールの秘訣は練習。点取り屋レオナルドのの信条だ(写真◎杉園昌之)
シュートは次から次にゴールの隅へ
節目の2ケタゴールまであと「1」に迫る。J1初挑戦となる浦和レッズのレオナルドは3試合足踏みしているが、目標に向かって、開幕から一つひとつゴールを積み重ねてきた。
3日後(20日)に川崎フロンターレ戦を控えた練習後も、9月の太陽が厳しく照りつけるなか、ひたすらシュートを打ち込んでいた。トラップからシュートまでのモーションは速く、体の軸もブレることはほとんどない。ボールは次から次へGKの手が届かないゴールの隅へ飛んでいく。シュート技術の高さは目を見張るばかりだ。冗談ばかり飛ばす陽気なブラジル人も、トレーニングに打ち込む姿は真剣そのもの。
「練習からシュート1本1本に集中している」
ゴール量産の秘訣を聞けば、「練習だ」という言葉がすぐにかえってくる。
ブラジルのサンパウロ郊外で生まれ育ち、物心ついた頃からストライカーだった。ストリートでも一番点を取った。人気のポジションだったが、レオナルドがその場所に入ることに異論を唱えるものはいなかったようだ。フットサルでもゴールゲッターとして働き、小さなゴールネットを揺らし続けた。ゴールの嗅覚は持って生まれたものなのか。シーズン開幕前のある日、沖縄キャンプで本人に水を向けると、何をいまさらと言わんばかりに笑って答えてくれた。
「点を取る才能があっても、努力しないと開花しないものだ」
今季の個人目標は23ゴール。コロナ禍の影響で日程がタイトになり、状況は開幕前と変わっているが、まったく意に介していない。
「僕の目標が変わることはない」
力強い言葉には自信があふれていた。チャンスは1回たりとも逃すつもりはない。レオナルドの辞書に「次」という文字はない。一発に懸けているストライカーは、川崎F戦で4試合ぶりのゴールを狙う。
取材◎杉園昌之