FC東京のFW原大智は9日のJ1・横浜FC戦で後半途中から出場すると、残り5分で逆転ゴールを決め、チームに勝利をもたらした。昨季J3得点王であり、その実力は誰もが認めるところだが、本人はチームの勝利に貢献してこそとの思いを抱いている。

上写真=71分から登場し、決勝ゴールを挙げた原大智(写真◎J.LEAGUE)

■2020年9月9日 J1リーグ第15節(観衆4,941人/@味の素)
FC東京 2-1 横浜FC
得点:(F)田川亨介、原大智
   (横)皆川佑介

切磋琢磨しながら這い上がっていきたい

 そのまま終われば勝ち点1。しかし自らのゴールでそこに2ポイントをプラスした。85分、原が値千金の逆転ゴールを挙げた。

 決定的な仕事を、本人が振り返る。

「小川(諒也)選手がボールを持ったら毎回チャンスだと思っているので、良いポジションを取ろうと。前でアダイウトン選手が触って、うまく反応できたのがすべてだったと思います。感覚というか、狙っていないんですけど、GKの上をうまく突き刺せたので良かったと思います」

 左サイドで小川がボールを持った瞬間、右手を上げながらボックス内に走り出した。滞空時間の長いクロスが上がり、眼前でアダイウトンがジャンプ。こぼれてきたボールを左足の柔らかなタッチでコントロールすると、鋭く反転しながら右足でシュート。今季3点目となる得点は、原のスキルとセンスが凝縮したゴールだった。

「今までとはまた違うゴール。勝利につながるのは気持ちいいですし、僕だけの力だけではなくてたくさんのチームメイトのおかげだと思います」

 チームを勝利に導けたことを何よりも喜んだ。ただの1点ではない。勝利につながる1点になった。

「決められてうれしいです。連戦で試合は続いていくので切り替えないとという気持ちもありますが、夢だったのでこういううれしい気持ちを味わうことができたのはよかったです。
 プロ1、2年目は悔しい思いもしていました。毎回スタンドで見ていて、勝利はうれしかったですが、自分が出場できていないという悔しさのほうが強かった。そういう意味で今日はうれしい」

 昨季のJ3得点王の肩書は伊達ではない。しかし、J1でプレーし、チームの勝利に貢献してこその思いも強かった。この日、ようやくその夢がかなった。ただ、原が抱く夢にはまだまだ続きがある。

「間違いなく、強力な選手たちが前線にはいます。それは、チームとしてはすごく良いこと。そういう選手と切磋琢磨しながら、みんなで這い上がっていきたい」

 J3(FC東京U-23)でともに戦った選手たちが今季はチャンスを得て、力を示し始めている。その中で、『自分も続かねば』との思いは強い。だからこれで満足することなどない。この日のようにチームを勝たせるゴールを重ね、タイトルをもたらす存在になるという夢がある。立ち止まってはいられない。

 きっとわれわれは、この先何度も目にすることになる。味スタで歓喜の中心にいるストライカー、原大智の姿をーー。


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