上写真=選手に指示を伝える横浜FCの下平監督(写真◎J.LEAGUE)
鳥栖がどちらで来るのか読めない
前節、セレッソ大阪に1-2で敗れ、連勝が3でストップした横浜FCだが、ゲーム内容自体はそれほど悪いものはなかったと指揮官は振り返る。その一方で、『差』も感じていた。
「正直、勝ちたかった。最低でも引き分けに持ち込みたかった。内容については、準備してきたことがしっかり出せたと思います。あとは、どう(ゴールを)こじ開けていくかのところ。1点はとれましたが、ゲームの結果にこだわっていくなら、失点がどうしても多い。そこは減らしていかないと、結果はついてこない。
1失点目は相手のワンチャンスであっさり決められてしまった。2点目も自分たちの不用意さが出て、決められて。止められるチャンスはたくさんあったと思うんですけど、もったいないというか、修正しないと勝ちは拾っていけないと思います」
4バック採用後、守備は格段に安定したものの、さらなる向上と、細部を疎かにしないことが必要と指揮官は話す。上位陣はやはり、一味違う。スライドの遅れ、マークミス、集中力の欠如。何か一つでも欠けば、そこを突かれるのが、J1のトップレベルだ。
明日の鳥栖戦は、チームにとって仕切り直しの一戦と言えるだろう。6日間、試合の間隔が空いたことで、ひと息付けた。ただし、故障者は増えており、チーム状況は楽観できる状態でもない。
「ケガ人は正直、まだなだ治っていないというか、むしろ増えています。チーム事情的には苦しいところがあります。ただ、どこのチームもこの連戦でケガ人が増えていますし、ポジティブに考えれば、次に出る選手がチャンスをつかんでくれればなと思っています。それで底上げになれば」
相手の鳥栖は、新型コロナウイルスの影響で8月25日まで活動を休止しており、公式戦が8月8日以来となる。下平監督は対戦を前に率直な思いを口にした。
「鳥栖がどういう状況かは分からないので難しさはあります。もしかしたらコンディションが悪いのか、むしろ逆でリフレッシュして休養十分で、久々のゲームでモチベーションもマックスに高くて、本当にやる気満々で臨んでくる可能性も十分にある。どちらでくるのか。僕らは当然、後者を想定して準備していますが」
今季の鳥栖は、ボールを握ることにプライオリティーをおくチームだ。下平監督も指摘していたが、「志向するサッカーは、しっかりビルドアップする、ハイプレスかけるというところで似ている点が多い」。勝敗のポイントは、どちらが志向するサッカーを出せるか、になる。
「スタイル的には同じなので、そこのやり合いになるのかなと。(勝利するには)フィニッシュの精度、ゴール前の守備の粘り強さが必要になると思います。ゲームが楽しみですね」
久々の試合に気合十分で臨むであろう相手に、横浜FCはどんなサッカーを見せるのか。しっかり勝利を手にし、9月をしっかり勝ち点を積みあげる一カ月にしたいところだ。