上写真=8月23日の横浜FM戦。浅野は先制機を逃し、ハーフタイムで交代となった(写真◎J.LEAGUE)
「伸ばすべきものがある」
8月27日の練習後、報道陣の質問に答えた浅野雄也は「まだダメですね」「まだまだです」とネガティブなコメントを繰り返した。聞かれていたのは23日の明治安田生命J1リーグ第12節、アウェーでの横浜F・マリノス戦のことだ。
2シャドーの一角で先発した浅野には前半、2つの大きなチャンスがあった。26分にドウグラス・ヴィエイラの左からのセンタリングをヘッドで合わせたが、クロスバーの上へ。33分には柏好文の左からのセンタリングを再びヘッドで狙ったものの、またもクロスバーの上に外してしまった。
特に2本目は決めなければいけないビッグチャンスで、浅野自身も「来た、と思った」と振り返る。だが「タイミング自体は外れていたと思わないけど、当たりどころが良くなかった」というシュートがクロスバーの上へ。そうするうちに広島は44分に先制され、0-1でハーフタイムへ。浅野はここで交代となり、チームも後半に一度は追い付いたが、その後に突き放されて1-3で敗れた。
「あれを決めていたら状況は変わっていました。リードした状態でハーフタイムを迎えていたら、後半もっと自分たちのサッカーができたと思う。ゴールを決めてチームに貢献したかった」。そう語った浅野は、もう一度「まだまだです」と言って厳しい表情を崩さなかった。
持ち味のスピードを生かし、開幕当初はサイドで起用されていたが、現在のポジションはシャドー。リーグ戦4試合連続で先発出場していることに「手応えはある」とする一方、「まだまだ伸ばすべきものがある」と自覚している。「攻撃ではドリブルでエリア内に侵入するプレーなどで、もっとチャンスを作らなければいけない。守備も、前線からコンパクトにしたり、絞ったりすることをサボらず、頭も働かせてやらないと」と語り、これまで以上に攻守両面での奮起を誓う。
「自分がどんどん点を取って、チームに貢献しなければいけない。試合に出るとは、そういうこと」
29日はホームでベガルタ仙台と対戦する。最近3試合で1分け2敗と勝ち点を伸ばせないチームを勝利に導くべく、得点でも、アシストでも、目に見える結果を追い求める。
取材・写真◎石倉利英