Jリーグと日本野球機構(NPB)による第14回の新型コロナウイルス対策連絡会議が開催された。今回議題に挙がったのは、両団体ともに感染例が見られたことと試合中止を判断した事例について。サガン鳥栖でクラスターが起こった事例についても共有した。

上写真=会議後のオンライン記者会見に出席した村井チェアマン(写真◎スクリーンショット)

差別や偏見の社会にするために

 Jリーグではサガン鳥栖が初めてクラスター指定され、5試合が中止(延期)となった。プロ野球でもソフトバンクの選手に感染が確認されて1試合中止となっている。今回の対策連絡会議ではこれからのケースについて、情報を共有するとともに今後の対策について話し合われた。

 確認されたのはガイドラインの遵守を徹底すること。Jリーグの村井満チェアマンは「感染がチーム内で広がりましたが、(保健所とクラスター班の方から)スタッフルームでミーティングをする際にマスクを着用していたか、シャワールームで個人のタオルを放置していなかったか、同居人以外の食事は避けていたかなど、非常に細かく指摘されました。ガイドラインを守る姿勢は各クラブともにありますが、鳥栖に限らず、個々では起こりえる。そこから感染が広がった可能性もあると指摘されましたので、これらはガイドラインに反映しますが、現状でも含まれている事項がほとんどです。その上で普通の生活や、対策した中でも感染し得るし、感染を広げる可能性があることを全クラブに伝えるつもりです」と話し、さらなる対策の徹底を促していくとした。

 専門家チームの三鴨廣繁氏は鳥栖の例を取り上げつつ、「十分に対策していても感染したということは、誰もが感染してもおかしくない時代」と指摘。引き続き対策をしっかりと行なっていくことが重要になると説明している。

 また、会議後の会見では9月6日まで延長されている超厳戒態勢=収容人数5000人以下(収容率50%以下のどちらか少ない方)による有観客試合の開催についても触れ、引き続き国の判断に従うとしつつ、専門家チーム座長の賀来満夫氏は現段階で観客数を拡大する難しさがあることも指摘。収容人数を変更するには「国民の理解が必要で現状では厳しいのではないか」と話した。今後の方針についてJリーグは臨時実行委員会において改めて協議し、決定するという。

 さらに、今回の会議では感染者やその家族に対する差別や偏見という問題についても意見交換が行なわれた。NPBの斉藤惇コミッショナーは「人を差別しても何も生まれない」と話し、「村井チェアマンと協力して、スポーツを通じて差別のない社会になるように訴えていきたい」と強調した。


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