8月23日の明治安田生命J1リーグ第12節では、FC東京が湘南ベルマーレを迎えた。初先発となる若手の活躍が刺激となってリズムをつかむと、得意技とも言えるセットプレーとカウンターで計3ゴール。湘南の反撃を抑え込んで快勝した。

上写真=永井の今季初ゴールでFC東京が先制した(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月23日 J1リーグ第12節(@味スタ:観衆4,599人)
FC東京 3-0 湘南
得点:(東)永井謙佑、ディエゴ・オリヴェイラ、原大智

画像: ■2020年8月23日 J1リーグ第12節(@味スタ:観衆4,599人) FC東京 3-0 湘南 得点:(東)永井謙佑、ディエゴ・オリヴェイラ、原大智

「真価が問われるところでした」

 J1初先発の品田愛斗をアンカーに、J1初出場初先発の中村拓海を右サイドバックに、と、若い2人をピッチに送り込んだFC東京。前半はその中村拓の攻撃参加が効いて、FC東京がリズムをつかみながら落ち着いてゲームを運んだ。対する湘南ベルマーレも守備は崩れずにビッグチャンスは作らせずに、静かな流れになった。

 こうなるとポイントになるのはセットプレー。37分、小川諒也の左CKをGKがパンチングしたもののDFに当たり、こぼれたところを永井謙佑が押し込んで、FC東京が運にも恵まれた形で先手を取った。

 湘南は巻き返しを狙って、後半開始からタリクと松田天馬を投入。ともに持ち味の推進力を生かして前への意欲を強めていく。さっそくこの策が光ったのが55分。石原直樹のパスから裏に抜けたタリクがGKと1対1となるビッグチャンスを迎えた。しかし、シュートはGKの好セーブにあって得点にはならず…。これが決まっていれば流れが大きく傾きそうな、いわばゲームの潮目だっただろう。

 ここを乗り切ったFC東京は、じっくり仕留めにかかる。63分に中村帆高とアルトゥール・シルバ、76分にアダイウトンをピッチに送り込んでフレッシュな空気に入れ替えると、「伝家の宝刀」で追加点。84分、ディエゴ・オリヴェイラとレアンドロの2人だけのコンビでカウンターから中央をぶち抜き、最後はディエゴ・オリヴェイラが左足で蹴り込んで2-0。さらに、1点を取りにパワーを掛けてきた湘南の裏を突き、87分に投入されていた原大智が、アディショナルタイム3分にまたもやカウンターから流し込んで勝負あった。

 湘南の浮嶋敏監督が悔やんだのは、「こちらのセットプレーのあとのカウンターから戻りきれないところでやられてしまった」という2つ目の失点だった。FC東京は連戦でメンバーが変わる中での貴重な勝利。長谷川健太監督も「メンバーが変わってもできるかどうかが、今日の試合の真価が問われるところでした。時間の経過とともにできるようになったのが収穫です」と声を弾ませた。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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