名古屋グランパスのFW山﨑凌吾はFC東京戦の後半から出場し、献身的なプレーを見せた。だが、チームに勝ち点をもたらすことはできなかった。試合後には反省の言葉ばかりを口にしたが、一方で勝利への強い思いも感じさせた。

上写真=後半から登場した山﨑凌吾(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月15日 J1リーグ第10節(観衆4,435人/@味スタ)
FC東京 1ー0 名古屋
得点:(F)レアンドロ

チームを助けられなかった

 山﨑は1点を追いかける後半から登場した。「ゴールを奪いに行け」。指揮官からの指示は単純明快。金崎夢生と2トップを組み、ポストワークで基点となり、クロスを呼び込んではゴールを目指した。しかし、ミッションは達成ならず。ついぞネットを揺らすことはできなかった。

「FC東京は中央がすごく堅いですが、サイドでうまく崩してクロスの枚数や迫力という部分とか、前半は相手が嫌がるシーンが少ないと思っていました。そこをイメージして後半のピッチに入りました。ですが、先に点を取られて引いた相手に対する崩し方やゴールへの向かい方、相手のボール回しやGKに対しても圧力がかかっていなかった。それが引き分けに持って行けなかった理由だと思いますし、僕自身もFWとしてチームを助けられませんでした」

 試合後はそう言って、悔しさをにじませた。

 今季、ルヴァンカップでは直近の2試合で先発し、8月5日の清水エスパルス戦ではゴールも記録した。石田凌太郎の右からのクロスに飛び込み、気持ちで押し込んだ。らしさが表れていたが、一方でリーグ戦は7試合に出場しているものの、先発はサガン鳥栖戦の1試合のみ。しかも、ここまでは無得点。先発したその鳥栖戦に次いでプレー時間が長かったこの日は、是が非でも結果を出したかったはずだ。しかし自身のシュートはゼロに終わってしまった(公式記録)。

「自分のプレーについては、ポストプレーをする場面もありましたし、ゴールに近いところでクロスのシーンも何回かありましたが、ゴールにはつながりませんでした。チームを最低限でも、引き分けに、そして勝利に持っていけなかったことは、自分としては納得いきません」

 自分自身に向けた「納得がいきません」という言葉からは、思いの強さが伝わってきた。昨季は5得点5アシストを記録し、今季、完全移籍で湘南から加入した。元来、献身的なプレーが光るチームファーストの選手だが、そろそろ名古屋でも目に見える結果を残し、チームを勝利に導きたいところだろう。

 次節は中3日で迎えるアウェーの湘南ベルマーレ戦。古巣との試合だ。山﨑は自身の評価を高めた場所で、自身も「納得する」プレーを見せられるか。勝手知ったるスタジアムで、移籍後J1初ゴールをーー。舞台は、整っている。


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