上写真=厳しい暑さの中、名古屋戦に向けて調整する永井謙佑(写真◎FC東京)
前節は守備に回り過ぎた
4節にケガから復帰して以降、6試合すべてに出場。そのうち5試合に先発し、攻撃に守備に奔走して、後半途中で退いている。出し惜しみはしないのが、永井の信条。ゲームのペースを考えつつも、毎回、自身のすべてを出し尽くすようにプレーしてきた。
ただ、守備に力を割く一方で、ここまで6試合は無得点と快足FWとしては物足りない数字に甘んじている。
「シュートチャンスで決められていなかったり、前節は個人的には守備に回りすぎて、なかなか攻撃で良さを出せなかったんで、そこはしっかり修正しながら、やっぱり結果にこだわってここからはやっていきたいですね」
永井の指摘通り、前節のセレッソ大阪戦では守備に力を割くことが多かった。スプリント数は両チーム通じて2番目に多い19回。57分間のプレーだったことを考えると、かなり多い数字だ。ちなみに1番多かったのは永井と逆サイドのウイングを務めたレアンドロ。90分で29回を数えた。
FC東京の両翼が、いかに運動量を求められているか。その数字からもはっきりと分かる。とりわけ守備面の貢献度は高い。攻撃に比重を置いて今季をスタートさせていたことで昨季に比べて失点は増えていたものの、徐々にそのバランスも整ってきた印象だ。前節のC大阪戦では、好調な相手をゼロに抑え切ってみせた。
「ここ最近は失点が多かったので、それがゼロで抑えられたのはよかった。次はそれを継続しつつ、先制点を取ることがカギになってくると思っていますね。
良い守備ができたときこそ、うちは良い攻撃につながっていると思う。良い守備から良い攻撃につなぐ回数を増やし続けるのが大事なんだと思います」
次節は名古屋グランパス戦。永井にとっては古巣との対戦となる。
「1週間準備できたので、しっかり戦えると思います。(名古屋は)すごい整理されていいチームになっていると思いますし、攻撃力も増している。前節は6点取って、ルヴァン(川崎F戦)でも2点とっています。なので、こちらが失点すると相手が乗ってしまうと思う。だから、そこはしっかりやりたい」
勝利への道筋は、「選手同士だったり、監督を交えて修正はできている。先に失点することが多いので、先制点を取ってゲームを進めていきたい」と、すでにチームで共有しているという。永井の考えるポイントは先制点。相手が攻めざるを得ない状況を早々に作り出せれば、良い守備から良い攻撃という構図も、よりハマる。チームの持ち味を発揮できる上に、ゲームもコントロールしやすいということだろう。
決戦は土曜日。場所は味の素スタジアム。永井は、5試合ぶりの勝利を誓った。