名古屋グランパスの好調の要因には、フィッカデンティ監督直伝の堅守がある。センターバックでは丸山祐市と中谷進之介の2人が支えているが、そこに割って入ろうと戦っているのが19歳の藤井陽也だ。

上写真=藤井はルヴァンカップで今季初出場。無失点に貢献した(写真◎J.LEAGUE)

高さと奪い切る力で勝負

 8月5日のJリーグYBCルヴァンカップ第2節、清水エスパルス戦で今季初出場を初先発で果たしたのが、センターバックの藤井陽也。フル出場して3-0の勝利に大きく貢献した。

「久々の試合ということで、序盤は確かに堅さがありました。課題もいろいろ出ましたけど、徐々に慣れることができたので、次に試合に出るときにはしっかりと入る準備していきたいと思います」

 そんな初々しさも残しながらも、出場した試合で無失点というのはセンターバックにとって誇りだ。4バックのセンターでコンビ組んだのは丸山祐市。11歳上の経験豊富な背番号3がどんなアクションを起こすのか、実戦だからこその姿をしっかりと見ていた。

「丸山選手が常にしゃべっていて、僕はほとんど言われて動くことが多かったので、それだけだと遅れるシーン出てきてしまう。2人でコミュニケーションを取りながら、もっともっと僕が前の選手に伝えられるようにしたいと思います」

 丸山はよくしゃべる。それに気づいたのだ。しゃべる、とはつまり、コーチングのこと。「後ろの声は神の声」とはよく言われることだが、それを実践している先輩の姿に刺激を受けた。現在のチームではその丸山と中谷進之介がレギュラーで、ベテランの千葉和彦も控える。彼らを乗り越えていかなければならない。

「レギュラーで出ている2人ともプレーに安定感があると思いますし、チーム全体を動かせるコーチング能力があります。自分に足りないところはまだまだたくさんあって、そこを補っていくこと、あとは長所である高さ、奪い切る力は2人や千葉さんにも負けないぐらいに伸ばしていきたいです」

 早ければ、12日のルヴァンカップで出場機会が巡ってくるかもしれない。そこで、1週間前の反省点をクリアできるかで、今後の成長度が変わってくる。

「守備の選手なので、まずは目の前の相手に負けないこと。ビルドアップでは前にスムーズに運ぶのを意識しています。この前の試合では、序盤にバタついたところがあって攻守どちらもできませんでした。そこは改善していきたいです」

 長い中断期間中にはイングランドのプレミアリーグを制したリバプールの試合を研究し、現在世界最高のセンターバックの一人、フィルジル・ファンダイクのプレーに目を凝らしたという。彼の国の「赤い壁」が見せつけるあらゆる能力を取り込んで、名古屋の「赤い壁」になるつもりだ。


This article is a sponsored article by
''.