上写真=4失点はGKにとってはつらいが、きっちりと向き合っていく(写真◎J.LEAGUE)
■2020年7月22日 J1リーグ第6節(@埼玉:観衆4,127人)
浦和 0-4 柏
得点:(柏)ヒシャルジソン、オルンガ、仲間隼斗、神谷優太
「前に蹴ればよかった」
前節のFC東京戦と今節の柏レイソル戦で連敗。キャプテンマークを巻いて試合に臨んだ守護神としては、反省の弁ばかりが続くのだが、落ち込みすぎたり投げやりになったりすることなく、真正面から向き合って真摯に語るのが、この人の良さだろう。
しかも、今回は好調だった前半に自らのミスで先制点を献上するような格好になったにもかかわらず、だ。32分、ゴールキックを短くつなぐ流れで柴戸海に渡したボールをヒシャルジソンに狙われてかっさらわれ、そのままゴールを割られてしまった。後半は柏にペースを持っていかれて、気づけばオルンガ、仲間隼斗、神谷優太に決められて3失点。合計で0-4の大敗は、昨年5月のJ1第13節、対サンフレッチェ広島戦でも経験している。
だからもちろん、内心は穏やかではなかっただろう。でも、自分に対する毒を周りに吐き出さないようにして、こう振り返るのだった。
「FC東京戦の敗戦を感じさせないいい雰囲気で入れました。前半を戦いながら、今日はいけるんじゃないかというところは感じていましたが、イージーなミスで失点してはいけないという点で、キーパーとしてしっかりやっていかなければなりませんでした」
「あの状況でつなぐ意識が強かったと反省しています。前に蹴ればよかったんじゃないかというところもありますし、僕のパスが弱かったので柴戸がコントロールできなかったと思います。しっかりやらなければいけませんでした」
「一人の選手として、そしてキーパーとしても、この2試合はイージーな失点が僕のミスから生まれています。こういう負け方は後味が悪いですが、ここ(スタジアム)を出るときに切り替え出て前を向いて、姿勢で見せていきたいと思います」
超連戦の今季は、いいことは続けていって良くないときにはすぱっと切り替える、というメンタルがいつも以上に重要になってくる。先頭に立ってチームを引っ張っていく西川には、落ち込んでいる時間はないのだ。
「試合をやっていて疲労は感じませんし、メンバーが変わる中で、走って、かつ、球際(の厳しさ)はポイントポイントで見せているんじゃないかなと思います。交代選手も違いを見せてくれています」
だからこそ、次の横浜FC戦が何よりも重要なのだ。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE