上写真=横浜FM戦に向けたトレーニングで汗を流す上田綺世(写真◎鹿島アントラーズ)
「今の状況で必要なのは、得点と勝利」
7月12日のJ1第4節浦和戦に敗れ、リーグ戦開幕4連敗となった鹿島。2月のAFCチャンピオンズリーグ・プレーオフとルヴァンカップ第1節も落としており、今季の公式戦ではいまだ引き分けの結果すらつかめていない。「今シーズン、まだ1勝もできていない状況で、フラストレーションがたまっている人もいるだろうし、心配なさっている人もいると思う」と、FW上田綺世は鹿島のファン・サポーターの心情も察しながら戦っている。
前節浦和戦では後半22分に途中出場。リーグ再開後初出場となった一戦では、高い打点からヘディングシュートを放つなど、ゴールを狙い続けた。得点を挙げることはできなかったものの、上田自身は少なからず手応えを得たようだ。
「久々の(公式戦の)感覚で、ちょっと試合勘の鈍りは感じたけれど、コンディションは上がってきています。個人的には、僕自身が点を取れれば、また何か(状況が)変わるんじゃないかというきっかけを感じた試合でもありました。自分たちのやっていることは少しずつデータにも出ている。公式戦でのスタイルというか、戦術的なところを、(試合に)出て、感じてみて、やはりゴールを一つ取れたら、(勢いに)乗れるんじゃないかなと感じました」
7月18日の次節でホームに迎えるのは、昨季J1王者の横浜FM。昨季のカシマスタジアムでの対戦では、上田のプロ初ゴールが決勝点となり、勝利を収めている。「まずはメンバー入りするために、スタメン争いに全力を尽くすこと」と、目の前の一戦に向けたトレーニングに励んでいる。
「僕が今、置かれている立場としては、試合に出るという(チームを勝たせることの)前段階。そこをまず勝ち抜かないと、チームを勝たせることはできないので、まずはチーム内での争いでしっかりと自分の特長をアピールして、チャンスをもらうこと。また、そのチャンスがF・マリノス戦であれば、全力を出す。それで結果を残せれば自分の自信になるだろうし、チームに勝ち点をもたらせば、鹿島も波に乗っていけると思う。自分が今の状況で必要なのは、得点と勝利だと思います」
そして、次節横浜FM戦は、今季のJ1で初めて、カシマスタジアムでの有観客試合となる。
「僕たちはサポーターの皆さんの生活におけるモチベーションも背負っています。良いパフォーマンスを見せることで、普段の生活のモチベーションになってくれたらうれしいし、それでまた(スタジアムに)足を運んでもらえたら、僕らのモチベーションにもなる。だから、お互いのモチベーションの相乗効果を上げるために、僕らはとにかくピッチで良いパフォーマンスを見せたい。関東の強いチームを相手に僕らが圧倒できるところを見せて、鹿島は強いってもう1度信じてもらえるような試合ができたらいいです」
ホームのファン・サポーターの前でチャンピオンから今季初勝利をつかむため、上田はゴールへと向かう。