首位に立つセレッソ大阪戦を前に、名古屋グランパスのフィッカデンティ監督が意気込みを語った。相手にとって不足なしーー。強豪との対戦は今季、上位を目指すチームにとって、現在地を知るうえで重要な一戦となる。

上写真=オンライン取材に応じるフィッカデンティ監督(写真は今月6日のもの/スクリーンショット)

理想と現実の距離を知る90分

 ひと言で言えば、堅い。フィッカデンティ監督のセレッソ大阪評である。大崩れはしない。派手な打ち合いを演じるイメージもない。実際、効率の良い得点とソリッドな守備でJ1唯一の開幕3連勝を飾っている。

 そんな相手との一戦を前にして、指揮官は言った。

「ここ最近のJリーグでは常に真ん中の順位より上にいるという戦いをしているチームという印象があります。常にいい順位にいる、毎年いいサッカーをするそういうイメージがある。監督が代わってもここ何年かで作り上げてきたものがしっかりと残る、手堅いチームだなと。今年も上の順位に入るだろうなという印象を持っています」

 安定感は抜群の相手だが、堅さや安定感をチームにもたらすことにかけては、フィッカデンティ監督も定評がある指導者だろう。それでも両チームの違いについても、指揮官は触れた。

「少し前にセレッソ戦が腕試しと話したのは、決して胸を借りるという意味ではありません。われわれはわれわれで違ったサッカーの取り組み方をしている。(中断などがあり)理想とするスタートはできませんでしたが、しっかりと結果を出しているチームに対して、どう戦えるか。われわれも上位を目指し、見て楽しいだけではなく結果を出せるサッカーを作り上げようとしている中で、このタイミングで当たれるのは、いいことだと思いますし、楽しみです」

 違ったサッカーの取り組み方というのは、どういうことか。今季、目指しているのは指揮官いわく「開幕前からスピード感があるサッカーで、相手の自陣でこちらが攻め続けるサッカーをやりたいと目標を掲げていた」。実際、複数得点を手にしているが、まだまだ物足りなさも感じているようだ。

 それでも、「ある程度いいスタートを切りましたが、リーグは中断しました。それでも今後はコンディションの問題もあるかもしれないが、目指すものは絶対に変えない。試合を通しても、それを伝えられているのではないかと思います」と話した。

 ただ近道を進むのではなく、今季は勝利に通ずる道を選ぶ。首位チームとの戦いは、理想と現実の距離を知る上で、重要な90分になるかもしれない。


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