上写真=スピーディーに攻め込む神谷(黄)。交代出場で躍動した(写真◎J.LEAGUE)
■2020年7月8日 J1リーグ第3節(@三共F柏)
柏 1-3 横浜FC
得点:(柏)呉屋大翔
(横)斉藤光毅、松浦拓弥、オウンゴール
「最初の一歩を出せたのは良かった」
2試合連続の途中出場。そのスプリント能力とテクニック、スピードで「流れを変える男」としての看板に磨きがかかってきた。
再開初戦となった7月4日のFC東京戦では、大谷秀和に代わって70分にピッチへ。そして中3日で迎えた横浜FC戦ではなんと28分から小林祐介の代わりに早々に送り込まれた。どちらもボランチからアタッカーへのスイッチだ。先制されて横浜FCに傾いた流れを一刻も早く引き戻したいネルシーニョ監督の強い意志がこもっていた。
FC東京戦では0-1のスコアは動かせなかったものの、ネルシーニョ監督も「クリエイティブな選手を投入して引き分けに持ち込みたかった。神谷には攻撃で起点を作ってほしいと言って入れた」と逆襲へのキーマンに指名。そして横浜FC戦では目に見える結果を出した。44分、右からのクロスで呉屋大翔のヘディングシュートを導き出し、同点弾をアシストしたのだ。決めた呉屋は「優太のパスの質が高いことは感じている。2人の関係で合わせることができた」とパスを称賛した。
神谷自身も与えられた役割は肝に銘じている。「前半途中から急遽出場しましたが、流れを変えるつもりで出ましたし、変えられると思いました。ベンチから見ていて、自分がこうしたらいいのではないかと思うイメージを出せました。1アシストという最初の一歩、結果を出せたのは良かったですが、チームとして結果を出せたらパーフェクトでしたね」
序盤は柏の方にチャンスが多かったのだが、「ベンチから見ていて守備がはまっていない」と感じていて、ネルシーニョ監督からもまさしくその点について指示を受けた。「まずは守備面のところでどうやってはめていくか伝えられて入っていきました」のだという。
「守備については後半はみんなで統一して狙いどころを定めて取りにいけたところもありました。全員で連動しなければいけないと思っています」
流れを変えるにはまず、攻撃ではなくて守備から。そのタスクをこなした上でのアシストだから、今後に生きてくるはずだ。
連敗の嫌な雰囲気を払拭するためにも、どんな役割でも体当たりで向かっていく背番号39が、長髪をなびかせてJ1のピッチを守備に攻撃に颯爽と駆けていくだろう。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE