上写真=横浜FCの松浦(水色)は1得点1アシストの大活躍だった(写真◎J.LEAGUE)
■2020年7月8日 J1リーグ第3節(@三共F柏)
柏 1-3 横浜FC
得点:(柏)呉屋大翔
(横)斉藤光毅、松浦拓弥、オウンゴール
交代:(柏)小林祐介→神谷優太(28分)
高橋峻希→ 北爪健吾(62分)
山下達也→ 高橋祐治(62分)
瀬川祐輔→ マテウス・サヴィオ(73分)
呉屋大翔→ジュニオール・サントス(73分)
(横)マギーニョ→中山克広(51分)
斉藤光毅→齋藤功佑(79分)
志知孝明→袴田裕太郎(84分)
一美和成→皆川佑介(84分)
柏は「何もできなかった」
少し不思議な試合だった。序盤は柏レイソルが自在にボールを動かして何度もフィニッシュに持ち込み、得点も時間の問題と思わせるような生きの良さだったのだ。
ところが、20分ごろからは横浜FCがサイドに起点を作りながら細かいパス交換でプレッシャーをかいくぐると、21分にはさらりと先制。中盤のプレスでこぼれたボールを松浦拓弥がワンタッチで鮮やかなスルーパス、抜け出した斉藤光毅が左足でGKの脇を抜く鮮やかなショットで突き刺した。注文通りのショートカウンターだった。
横浜FCは前節と同じ先発メンバー、同じ3-5-2の布陣で臨んだ。柏は動いてきた。前節の4-4-2から相手に合わせるようにして3-5-2にフォームチェンジ。しかし、結果的にはこれが裏目に出た。
柏は先制されたあとの28分には早くもMF神谷優太を投入、前半終了間際には右からの神谷のクロスを呉屋大翔がヘッドで押し込んで同点として、さあ柏の逆襲と思われた。ところが、後半に入ってすぐの47分に横浜FCがマギーニョの強シュートを松浦がヒールで流し込み、柏の後半の出鼻を挫くことになった。
このまま焦る柏、余裕でかわす横浜FCという構図のまま試合は進んでいく。柏は62分にDF北爪健吾とDF高橋祐治を、73分にもMFマテウス・サヴィオとFWジュニオール・サントスを送り込む2連続の2枚替えでゴールを目指すが、逆に整理されないままのパワープレーに終始。柏が攻め急ぐほど、それを手玉に取るようにして時間を進めた横浜FCの成熟ぶりばかりが目立つようになった。85分には左からの佐藤謙介のFKが柏のDFに当たってオウンゴールとなり、勝負は決した。
シュート4本で3得点。効率の良い昇格後初勝利を、古巣相手に収めた下平隆宏は、満足感あふれる表情。「声を掛け合って一体感を持ってやったので、一つのチーム、一つのグループとして戦っているのを見て感じました。選手を褒めたいと思います」とにこやかだった。
一方の柏は再開後2連敗。ネルシーニョ監督は「何もできなかった」と今回ばかりは脱帽の体だった。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE