気持ちを入れて
再開を翌日に控えた練習前にオンライン会見に現れた東京のエース。これから最後の調整に入るというその直前だったが、試合へのテンションを上げるのはまだ先、といった風情で、落ち着き払っていた。
一貫して口にしたのは、チームに対する忠誠心だった。
「個人的にはいい状況です。練習試合を重ねるに従って気持ちも入って、コンディションも上がってきました。明日もいつも通り、チームに貢献できるようなプレーをしたい」
「ゴールはぜひ決めたいと思っていますが、チームとして結果を出していきたいと思っています。自分が決めなくても、チームが勝てることが重要です」
「いつもそうですが、私の役割は決まっています。気持ちを入れてチームが勝てるように、同じ気持ち、同じ役割で良い結果を出すことが大事だと思っています」
高いレベルのプレーが見せられる
そのために、まず期待されるのはゴールだ。今季はアダイウトンとレアンドロが加わり、過去のJリーグを振り返ってみても屈指のトリデンテ(三叉の槍)が青赤の自慢になっている。
「彼らは素晴らしい選手で、思った以上にスムーズにできているな、というのが率直なところです。練習しながらコミュニケーションが取りやすいので、コンビネーションも上達していると思います。これから試合を重ねると、もっともっとコンビプレーが出ると期待しています」
一方で、あくなき守備への執念もディエゴが愛される理由だ。これから夏を迎え、しかも超連戦。スタミナへの不安ばかりが先に立つが…。
「前線の選手ですから攻めることがメーンになりますが、私のプレースタイルから、チームに貢献することが一番で、そのためにハードワークをするのは変わりません。できるところまでやっていきたいと思っています」
「今年はタイトな日程で、今後は遠征も入ってきて過酷なスケジュールになってきます。そこで、交代が5人まで認められるので、チームの力は落ちないようにできると思っていて、プラスになるでしょう。レベルが下がることが少なくなり、高いレベルでのプレーを見せられていいことだと思います」
スタジアムに入れないファン・サポーターの一人一人がそれぞれに作る「仮想ゴール裏」や「仮想スタンド」を一番盛り上げるのは、いつもと変わらずやはりこの男だろう。忠誠心の塊のようなプレーで、そして何より豪快そのものの、気持ちのいい一発で歓声を巻き起こす。